経営に台本はない。特に、新しく事業を起こすことは、未知の世界
への挑戦だ。何もかもが予測不可能だ。とはいえ、経営にも定石は
ある。小嶋千鶴子は、それを持っていた。
定石を身につけるには、過去の出来事を知識化し、過去と現在の情
報や資料を収集・分析し、直面する問題を参考にし、適応する能力
が必要だ。
書物には、偉人や成功者の伝記や成功の秘訣があふれている。その
中には、いわゆる成功のエッセンスというか法則性に近い「定石」
を見つけることができる。
そして、決断するのに必要なのが「勇気」だ。知識や経験のない勇
気は、賭けであり「蛮勇」だ。トップには「蛮勇」でなく「賢勇」
とで言うべき賢い勇気が最終的には必要だ。
★
多様な人物を受け入れ、経営に活力と成果を生み出すことをダイバ
ーシティという。ここでは「異論」のことだ。異論を持つ者にも敬
意を払い、異論を傾聴し受け入れるということだ。
異論や聞きづらいことを聴くには、忍耐が必要だ。自分の存在を否
定されているような、屈辱感や恐怖感も伴うかもしれない。だが、
経営層には涵養すべき能力の一つであることに間違いない。
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