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§ 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな § vol.302 § 2019年11月16日発行 §
今週のトピック: 香港社会秩序の撹乱者は学生なのか、警察なのか
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11月も3週目に入り、寒くなりましたね。九州もまちなかはまだまだですが、山間では
もう紅葉はピークを過ぎたそうです。それを聞いて、数年前、ちょうどこの時期に香港か
らのお客さんを連れて東京の紅葉を見て歩いたことを思い出しました。日本が美しく彩ら
れる時期ですね。
日本は政局がかしましくなってきました。でも、政治家の掟破り、タブー破りははもうい
まさらの感があり、目の前のつじつま合わせだけでやり過ごしていけるこの国の現状ばか
りが気になります。
先日、ある日本在住の中国人の友人と香港の話から宗教の話題になりました。「香港人は
植民地時代のなにを懐かしがっているのだ?」という質問がきっかけでした。
植民地時代の香港を知るわたしからすると、今振り返るとそれは「ボトムラインのある社
会」ということでしょうか。ボトムラインつまり「これ以下は何があっても決してやって
は(あるいはなっては)ならない」という見えない意識が共有されている社会。日本から
香港で暮らすことになったとき、そのボトムラインがある種の「人道主義」といえるもの
で守られていると感じました。
当時の香港はさまざまな人が暮らしていました。見るからに外国人(わたしも含め)と、
外国の国籍を持つ華人、そこには中国人もいれば台湾人もおり、シンガポール人もいる。
そして香港人には生まれ育った香港人と、中国生まれの香港人、さらには台湾人(あるい
はアジアの別地域出身)でもあり香港人でもあるといったいくつもの顔を持つ香港人…ひ
とことで香港人といっても持っているパスポートがそれぞれに違ったのです。香港政府が
出しているパスポートにも2種類ありました。
パスポートが違うのに、みんな香港人。そんな自由な出自の人たちは当然生活習慣も、考
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