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信田さよ子氏:従来の家族観を変えなければ児童虐待はなくならない[マル激!メールマガジン]

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マル激!メールマガジン 2019年11月27日号 (発行者:ビデオニュース・ドットコム https://www.videonews.com/ ) ────────────────────────────────────── マル激トーク・オン・ディマンド 第972回(2019年11月23日) 従来の家族観を変えなければ児童虐待はなくならない ゲスト:信田さよ子氏(公認心理師、臨床心理士) ──────────────────────────────────────  児童虐待事件が後を絶たない。報道されるたびに胸がしめつけられる思いをさせら れるが、子どもが可哀そうだと言っているだけでは何も変わらない。虐待が起きた時 に、市町村や児童相談所がいかに対応すべきか、警察が介入すべきタイミングなど、 子どもの命を救うための課題は多いが、そもそもなぜ子どもの命が失われるまで虐待 してしまうのかという根本的な問題にも手当が必要だ。  50年近く家族の問題をテーマにカウンセリングを続けてきた信田さよ子氏は、2000 年代に入って児童虐待の背景が変わってきていると指摘する。日本でも以前から児童 虐待はあったが、かつては周囲の目を気にしなければならないなど、常に一定の抑止 力となる存在があった。しかし、多くの家族が社会から孤立している現代は、いざ虐 待が始まると行きつくところまで行ってしまう。 非正規労働が増え、職を失った父 親が子育てに関わる家庭が増えていることも、以前とは大きく異なる点だ。  「ゆるしてください」と反省文を書かされたという5歳の女児が亡くなった去年3月 の目黒の事件。父親にいじめられていたというのは「嘘です」と言った10歳の少女が 亡くなった今年1月の野田の事件。いずれにも共通するのは、しつけと称する一種の 「教育虐待」ではないかと信田氏は言う。子ども時代に親から虐待を受けてきた人た ちのカウンセリングに当たってきた経験では、命を失わないまでも何らかの虐待行為 が当たり前のように行われている家庭は多く、虐待被害の裾野がとても広いことを認 識すべきだと信田氏は語る。  家庭内の暴力については、これまで1970年代から起きていた子が親へ暴力をふるう 家庭内暴力や、夫が妻に、あるいはその逆のDV(ドメスティックバイオ

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