●FBI報告書の内容
この報告書は、「米研究事業への脅威:中国の人材登用計画(Threats to the US Research Enterprise: China's talent recruitment plans)」というタイトルで、11月19日に米上院の「国家の安全保障と政府の政策に関する小委員会」に討議資料としてFBIから提出されたものだ。それには、中国のアメリカにおける人材の引き抜きや登用の国家の安全保障に与える脅威のついて細かく調査した結果が掲載されている。105ページの報告書だ。
この報告書によると、中国には約200に及ぶ人材引き抜きと登用を目的とした計画が存在するとしている。それらの多くは政府が主導しており、中国の科学技術発展のために必要な人材を系統的にアメリカから引き抜き、知的財産権を継続的に侵害しているとしている。
これまでアメリカは、「全米科学財団」や「国立衛生研究所」、そして特にエネルギー省が管轄する多くの国立研究所は門戸を外に開き、海外から優秀な研究者を引き付けてきた。こうした研究所のもたらした成果によって、現在の我々の生活が成り立っているといっても過言ではない。
しかし中国は、アメリカのこうした研究所の開放的な方針を悪用し、多くの在米研究員を中国が必要とする科学技術や軍事技術を得るために計画的にリクルートしてきた。彼らは、高額なサラリーと充実した研究環境を約束されて引き抜かれていた。
FBIの調査では、引き抜かれて中国に移動する前に機密情報をダウンロードした研究員や、アメリカの研究所から研究費を得ているにもかかわらず、中国政府から秘密裏に研究費を得ていたケース、また米財団から研究費を得るためにウソの報告をしていたケースなどが多くあったとしている。
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