━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■今週の選書
■■アンチ整理術
■■森 博嗣
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
整理・整頓は不要だ。精神的効果しかないからだ。そんなことをす
る時間があるなら、仕事を前進させることに使う。無駄なことに時
間を使うことは馬鹿げている。
整理・整頓すれば「仕事ができるようになる」「発想が生まれる」
「効率を高める」などと余計な効果を期待する人が多い。しかし、
物理的にも、科学的にもそんな効果はない。
「片づけながら仕事をすれば、整理・整頓は不要だ」という考え方
がある。これならいつも片づいている状態になる。多くの職場、作
業場が、この手の管理を奨励している。
だが、それが有効なのは多数の人間が入れ替わり立ち代わり、その
場所を使う場合だ。このような共有スペースは、物が整理・整頓さ
れていないと混乱する。だから、非効率になる。
だが、一人で作業をする現場は、おおむね散らかっているものだ。
一人で仕事をしていれば、何がどこにあるのか、だいたい本人が把
握できるからだ。
出した道具をいちいち片づけないのは、すぐに使うからだ。資料が
積み重なるのも、上にあるものほど新しく、また使うものだと意識
をしているからだ。この状態が自分にとって効率的なのだ。
片づけている暇などない。乗っている時ほど、どんどん作業が進む。
現場は凄まじい状態になる。散らかっても作業が進むなら、それが
正解なのだ。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)