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佐々木俊尚の未来地図レポート 2019.12.2 Vol.579
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【今週のコンテンツ】
特集
アメリカでフィルターバブルについての法案が議会に提出
〜〜情報の偏りを避けることは重要だが、果たしてそれは可能か
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
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■特集
アメリカでフィルターバブルについての法案が議会に提出
〜〜情報の偏りを避けることは重要だが、果たしてそれは可能か
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いま米国で「フィルターバブル可視化法(The Filter Bubble Transparency Act、FBTA)という法案が議会に提出され、議論になっているようです。提出したのは共和党の上院議員マーク・ウォーナーや民主党のジョン・スーンということなので、GAFAに批判的な議員が超党派でということなのでしょう。
フィルターバブルというのは、イーライ・パリサーという作家・活動家が2011年に刊行した『フィルターバブル』という書籍で提示された概念です。この本は日本では2012年に『閉じこもるインターネット―グーグル・パーソナライズ・民主主義』というタイトルで翻訳され、2015年には『フィルターバブル─インターネットが隠していること』と書名を変更して文庫化されています。
フィルターバブルとは何かというと、検索やニュースアプリなどのパーソナライズのアルゴリズムによって、ユーザーが見たくないと思うであろう情報はフィルタリングされて遮断され、泡(バブル)の中にいるように自分の見たい情報だけに包まれてしまうことです。対立する考えなどに触れる機会がなくなり、知的孤立に陥ってしまう危険性がある。日本でも以前から「インターネットのタコツボ化」と呼ばれてきた問題ですね。
これに関連して、フィルターバブルが進むとさまざまな多様な考え方を知ることができなくなり、同じような価値観を持つ人たちの意見ばかりが増幅されて聞こえるようになり、これが残
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