中国衰弱は金融面に顕著
米中合意第1段階に中身
対米輸入増2千億ドル?
韓国のメリットはわずか
揉めに揉めてきた米中通商交渉「第1段階」合意は12月13日、両国政府から正式に発表された。協定署名は、来年1月の見込みである。この5月に署名直前まで行きながら、中国民族派の巻き返しで反古にされた経緯がある。当時の理由は、中国の主権を守るという「非経済的要因」であった。経済合理性を押しのけたこの決定が、中国経済の金融基盤を大きく損ねる結果になった。
中国衰弱は金融面に顕著
一般的な注目は、生産とか販売など実物レベルの増減率に目が注がれている。この指標は重要だが、その裏で「潤滑油」の役割を果たしているのが金融である。金融が重要であることの認識は、なかなか得られないものだ。習近平氏もその一人とお見受けする。債務依存経済の終着駅は、「信用創造機能の破壊」である。中国は現在、まさにこの最悪事態にはまり込んでいる。
具体的に言えば、金融を緩和しても貸出が伸びない状態である。「流動性の罠」とも言われるが、銀行が融資先の信用悪化を警戒して、貸出を増やさないことだ。今年1月以来、マネーサプライ(M2)が、8%台前半で足踏みし、名目経済成長率とほぼ同じという、危機的な状況に落込んでいる。
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