【第25回】最後の配信はオーシャンゼリゼ高級トイレとレモンヨーグルトムース

フランスのお水が合わないのか、常に腹を下しがちな日々を過ごしたせいか、パリのきれいなトイレを見つけると興奮して写真を撮る癖がつきました。個室からシャッター音が聞こえても盗撮マニアではありません。トイレフェチです。 2016年のパリ滞在中で見つけたトイレ金メダリスト（いまオリンピック見てます）は、一つ星レストランGaranceにあった、わが国が世界に誇るトイレタリーブランド、TOTOのトイレでございます！ んもーさすがのクオリティのウォシュレットだし、清潔感満点だし、こんな異国の地でよく営業頑張ったな、と侍（トイレ営業）ジャパンに拍手喝さいです。 　逆に、パリのトイレラズベリー賞はシャンゼリゼ大通りにあった「POINT WC」。自ら「ラグジュアリートイレ」を名乗っており、トイレを使うのに２ユーロ取ります。財布がゆるゆる観光客ならオ～シャンゼリゼ、と歌いながら放尿＆脱糞するだろうと足元を見られている気もしますが、取材のため！お支払い。 　なんていったってラグジュアリートイレですし、マリーアントワネットがいた国です。うんこの匂いを消すために香水振りまくりの貴族がいたという話ですし、おそらく個室の裏に執事がいて、お尻を拭いたあとに素敵な香りのするミストが天井から降ってきて、ああ明日までここにいたい、パンがないならブリオッシュをここで食べようかしら、となるに違いありません。 　期待に胸を膨らませ中に入ると、バケツと濡れたモップを持った執事が無表情で個室を指さし。ここに入れ、ということらしい。ツンデレなんだから～。 　入った個室ではなにやらモダンなデザインなのか、まん丸の便座がお出迎え。安産型の私だから大丈夫だけど、やせ形の人、落ちます。安室奈美恵なら落っこちそうな丸便座に座ると目線には個室の見取り図らしきものがありタイトルも。「YOU ＆ ME」。え？誰か私以外にいるの？？ 　確かに、壁を見ると工事を失敗したときの穴のようなものがたくさん空いている。執事が覗きながらスタンバってるのかな？でも放出したあと、執事は拭いてくれることもなく、ミストもなく、ブリオッシュもウォシュレットもなし。YOU、どこにいるのー！ 　でもそれなりに繁盛しているようで、ドアの向こうが騒がしくなり、プレッシャーに負け、YOUを見つけることなく退場しました。 　よく見るとお尻に色移りでもしそうなビビットなピンクやオレンジ色の便座やトイレットペーパーを販売しており、そうか、これでお尻を拭いたらラグジュアリーな気分に……ならないよ！落ち着いてうんこできないよ！