第92回 カトリック教会のブロックチェーン
▼今回の記事
今回は、2020年が始まるので、海外で出ているビットコインの今年の相場予想をお伝えする。強気の予想が多い。次にメインテーマとして、カトリック教会におけるブロックチェーンの適用を紹介する。
▼カトリック教会とブロックチェーン
それでは今回のメインテーマを書く。カトリック教会とブロックチェーンである。
人間の精神的な救いとなる宗教と、デジタルデータの分散型管理のシステムであるブロックチェーンとの結び付きは非常にイメージしにくい。もしそうのような結び付きが可能ならば、ブロックチェーンの拡大と発展は人間の精神的な領域にまで到達してしまったのかと思うかもしれない。それが具体的にどういうことなのかはイメージできないものの、AIが人間に取って代わるような印象を持つかもしれない。
しかし、カトリック教会とブロックチェーンの結び付きといってもそのような極端なことではない。カトリック教会も、全世界で13億人弱の信者数を持つ巨大組織であるということでは、他の産業分野の大規模組織と同じような課題を持っている。その意味では、暗号化されたデータの透明性の高い分散型管理の方法であるブロックチェーンの導入は、なんら不自然ではない。宗教の精神領域とは関係ない。
どうも宗教の分野でブロックチェーンの導入に最初に踏み切ったのがカトリック教会のようだ。ブロックチェーンの有用性が広く認識されると、仏教系やイスラム教系の大規模な教団でも導入が進む可能性が高い。次の5つの点が、カトリック教会におけるブロックチェーン活用のポイントとなる。
1)カトリック教会による貧者の援助
貧者の財政的な支援は長年カトリック教会が取り組んできた重要な活動である。しかし、支援が必要な貧者のもっとも多い国々は低開発国である。そうした地域では人々は銀行口座を持っていないので、現物支給の支援しか実行できない。
しかし、低開発国諸国の国民でも、いまではスマホは持っている。もしアプリでダウンロードできる教会専用のウォレットがあれば、貧者を直接支援することができる。
まさにこれを実現するのが、ブロックチェーンをベースにした専用の仮想通貨の導入である。カトリック教会でそのようなトークンを開発できれば、支援は容易になるはずだ。
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