日中の人口ボーナス期比較
「中国2049」重み知る
高齢人口重圧が未来を潰す
中所得国の罠に引っかかる
中国の「一人っ子政策」は、GDP世界2位への原動力になった。それは、2010年である。この年は、中国の「人口ボーナス期」のピークでもあり、それ以降は「人口オーナス期」へ局面転換した。そういう意味で、2010年が中国にとって記念碑的な意味を持っている。
「一人っ子政策」は、産児制限である。子どもの数を減らしたことは、総人口に占める生産年齢人口(15~64歳)比率を増やした。中国経済は、奔馬のごとく上昇カーブを駆け上がった。改革開放(1978年)から40年間、GDP平均成長率は9.8%へ押し上げられた。これからは、その反動期である「人口オーナス期」へ転換する。少子高齢化が急激に進行するのだ。
日本は、人口ボーナス期のピークを1990年に迎えた。その時の1人当りの名目GDPは、2万5380ドル(IMF調査)。中国の人口ボーナス期のピークである2010年の1人当りの名目GDPは、4524ドル(同)だ。日本の17.8%のレベルで、中国は人口ボーナス期のピークを迎えた。これは人口動態面で、中国が「豊かになる前」に日陰へ入る意味だ。日本と較べれば、決定的なハンディキャップを示している。
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