2020年 第2号
【長尾和宏の「痛くない死に方」】
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あの日から、25年目に思うこと……
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お正月ムードなど、遠い昔のことのようです。長尾和宏です。
お看取りで、今週はほとんど眠れていません。変なこと書いてしまったらごめんなさい。
そのため、1月に入ったからもう、数えきれないほど夜明けの朝焼けを見ています。
皆さんは、夕焼けと朝焼けとどちらが好きですか?
私は、人生の黄昏を感じる夕焼けのほうが個人的には好きなのですが、しかし、大切な
患者さんのお看取りに向かう朝焼けは、いつもいつも美しく胸に迫り、不思議な感情に
襲われます。それに慣れることは、今も尚、慣れることはありません。
そして今日の朝焼けは、さらに特別な「想い」が重なりました。
25年前、平成7年1月17日 午前5時46分。私は神戸にいました。
何が起きているのかわからぬまま、まさに着の身着のまま当時勤務していた病院へ出向
き、そして、そのまま多くの人の救命にあたりました。
ありありと目に浮かぶ、人々の叫び、喚き、崩壊した家々。地獄とはこういうことかと
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