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週刊 Life is Beautiful 2020年1月21日号

週刊 Life is beautiful
今週のざっくばらん 第3の投資戦略 Tesla という会社の特殊性に関しては、このメルマガでも何度も触れて来ましたが、ようやく市場も気が付いたようで、株価が急騰しています(参照:Tesla surges past $500 on back of analyst upgrade, China momentum)。 自動車業界にとっての Tesla 車が、ちょうど携帯電話業界にとっての iPhone のような存在であることは、携帯電話業界と自動車業界の両方でビジネスをしていた私から見れば自明だったし、それを指摘していたのは私だけではありません。 にも関わらず、大半の投資家たちが Tesla にこれまで投資できずにいたのは何故なのでしょう? 私は、投資家たちが採用している投資戦略に何かが欠けているからだと思います。 投資戦略としてよく知られているのは、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析、という二つの手法です。 ファンダメンタルズとは、企業が利益を生み出す本質的な力のことで、一株利益や成長率を指標として「適切な株価」を弾き出して、それよりも安ければ買い、高くなれば売るという手法です。PER (price to earnings ratio) は、株価を一株利益で割って求めますが、その数字が同じ業界の似たような成長率の企業と比べて低ければ「(株価が)割安」、高ければ「割高」と考えて投資をするのが一般的です。 テクニカル分析とは、過去の株価の動きだけを見て、売買のタイミングを決める手法で、株価が投資家たちの心理状態を反映したものであることを利用して、タイミングを見計らって利ざやを稼ごうという手法です。よく知られた手法としては、買いシグナルとしての「ゴールデンクロス」があります。ゴールデンクロスとは、二つの移動平均線(例えば、25日移動平均線と5日移動平均線)を引き、短期の移動平均線が長期の移動平均線を超えた時点を「株を買うべきシグナル」として利用するものです(参照:ゴールデンクロスとは?|代表的な買いシグナルの3条件)。 ファンダメンタルズ分析の方は、十分に成熟した市場で投資先を決めるには優れた手法ですが、この手法では、Tesla のように赤字を垂れ流しながら急成長している企業には投資できません。 テクニカル分析の方は、純粋に株価の動きを見ているため、投機的な(=ギャンブルのような)利ざや稼ぎには適していますが、企業の競争力や収益力を見ているわけではないので、業界全体の大きな変化を掴むことは出来ません。つまり、どちらも Tesla のような株を見つけ出すのには適していないのです。

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