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崩れた習近平神話、「皇帝の座」を揺さぶる内政問題2つの重圧

勝又壽良の経済時評
  • 2020/01/23
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民族主義者を側近にした不幸 二大制約条件の一つ人口問題 環境破壊で華北は炎熱地獄へ 二酸化炭素の排出ゼロが急務 習近平中国国家主席が、もっとも輝ける時期は終わったようだ。2012年11月中国共産党総書記に就任、翌年3月中国国家主席の座へ。以来、不動産バブル経済を背景に恣に振る舞い「中華復興」を唱え、内外で威勢を振るってきた。膨張したバブル経済が、中国の実力であると見誤ったのである。 当時、中国の経常収支黒字は他国を圧倒していた。2015年には3041億ドルを稼ぎ出して世界1位になった。それが、2018年には490億ドルに縮小して、世界11位と大幅な後退である。経常収支黒字は、多くは外資系企業の輸出が稼ぎ出したものだ。それを、中国企業と錯覚して、前記の「中華復興」という夢を語らせたのであろう。「他人の褌で相撲を取っている」ことに気付かず、有頂天になったのだ。 習氏は2017年、有力側近に民族主義者である王滬寧(ワン フーニン)氏を序列5位の中央政治局常務委員に選んだ。この人事が、習氏の外交政策を大きく変えさせ、米国と対決する路線に誘い込んでしまった。王氏は、米国留学経験を持つが、「真面目」に米国で学んだのでなく、米国の欠点ばかりをあげつらう異端児であった。これが、米国軽視を習氏に吹き込んだ背景である。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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