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第573回 イラク首相が語るトランプの脅し、民間航空機撃墜の真相?過去の2020年代予言を振り返る
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※次回の予告
いま今年の日本の地震に関する予言を調査しています。海外のものが中心ですが、いくつか気になるものがあります。パーカーの予言が当たるかも知れません。ぜひお読みください!
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▼続く緊張
トランプ政権は、1月8日に実施されたイランによるソレイマニ司令官殺害の報復攻撃には自制的に対処するとし、報復攻撃の連鎖から大きな戦争に発展する可能性はなんとか回避された。しかしそれ以後も、イランとアメリカの緊張は続いており、なにが起こってもおかしくない状況だ。
「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の後任にガーニ新司令官が任命されたが、20日に行われた就任式では、「アメリカはソレイマニ司令官をひきょうな手で殺害したが、我々は司令官の敵を男らしい方法で討つ」と述べ、報復を示唆した。アメリカがイランへの経済制裁の強化を表明する一方、イラン側はウラン濃縮を無制限に行うと発表していて、対立が収束する見通しはまったく立っていない。
そして21日には、イラクの首都バグダッドで、米大使館などが並ぶ地区に3発のロケット弾が撃ち込まれた。ロケット弾が打ち込まれたのは、アメリカ大使館がある「グリーンゾーン」と呼ばれる地区。この攻撃による被害者はなかった。
またイランでは、当初責任を否定していた8日の民間航空機の撃墜が、「イラン革命防衛隊」によると政府が認めたことが引き金となり、イランの指導層の辞任を求める抗議運動は起こり、いまでもくすぶり続けている。これは、昨年の11月からイラン全土で拡大したガソリン価格の大幅値上げに対する抗議運動を再燃させる可能性もある。
このような状況に対し、1979年以前にイランを統治していた故パーレビ国王の息子、レザ元皇太子は、アメリカの保守系シンクタンクの「ハドソン研究所」で講演し、イスラム教シーア派最高指導者が率いるイランの体制の崩壊は時間の問題だと語った。
さらに、ソレイマニ司令官が殺害されたイラクでも混乱が拡大している。ソレイマニ司令官の殺害に激怒した親イラン派の市民と、イランの影響力拡大に怒った市民との間で対立が続いている。21日、首都バグダッドで、反イラン派による反政府デモがあった。デモ隊は反政府のスローガンを叫び、「無力になるのはお前たちだ。我々ではない」と書かれたプラカードを掲げ、アメリカ軍が殺害したイラン革命防衛隊のガーセム・ソレイマーニー司令官とハシディ・シャビ軍のアブー・マフディー・ムハンディス副司令官の肖像画が描かれたポスターを燃やした。
●公表されたアブドルマフディ首相の議会証言
このように、混乱が収まったとは到底言えない状況だ。イランとアメリカは依然として一触即発の状況だし、イランのイスラム指導体制も国内の新たな抗議運動に直面している。さらにイランの影響力下にあるイラクでも反政府運動が起こっている。ソレイマニ司令官の殺害を機にイランを中心に混乱と戦争が拡大する予感もある。
そんなとき、ソレイマニ司令官の殺害後、イラクのアブドルマフディ首相がイラク国会で演説した。このときスンニ派の議員は全員欠席した。その理由は、この演説でアブドルマフディ首相が重要な機密を暴露するはずだといううわさが広まっていたからだ。ハルバウシ国会議長は国営テレビのライブ中継を一時中断させ、アブドルマフディ首相と会談した。このとき、アブドルマフディ首相が語った内容が後にツイッターで公表された。それがやっと英語に翻訳され、公表されたのだ。
まずアブドルマフディ首相は、アメリカがイラクを崩壊させたことに怒りを表すとともに、トランプ政権がインフラと電力網の復興プロジェクトを完成してほしければ、イラクの石油権益の50%をよこせとの要求をきっぱりと拒否したと証言し、次のように言った。
「だから私は中国を訪問し、中国がインフラを建設する契約に調印したのだ。私が帰国するとすぐにトランプ大統領から電話があり、中国との契約を中止するようにということだった。私がこれを拒否すると、私を首相の座から引き下ろすための大きな抗議運動を仕掛けてやるぞといい、私を脅した。
抗議運動はこの電話以後、すぐに起こった。そしたらまたトランプが私に電話をして、私がアメリカの要求を飲まないと、米海兵隊の狙撃手を高い建物に配置し、デモ隊と治安部隊の両方を狙撃して、おまえに圧力をかけてやるといった。
私はこれも拒否して、辞表を提出したのだ。だが、いまもアメリカは、イラクが中国と結んだこの契約をやめるように強く主張している。
この後、我が国の国防相から、どちらの側にも属さない第三者の狙撃手がデモ隊と治安部隊の両方を狙撃しているという報告があった。これはトランプの言う通りだった。するとまたトランプから電話があり、この「第三者」について話すのであれば、私と国防相の両方を殺してやると脅した。」
おそらくこのトランプ大統領との電話は、昨年の9月ころのものだろう。イラクでは10月上旬に反政府デモが拡大し、デモ隊と治安部隊を合わせて400人が死亡し、1500人が負傷している。アブドルマフディ首相はこの責任を追求され、辞表を提出した。いまは次期候補が決まるまで、暫定的に首相の座にとどまっている。
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