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高野孟のTHE JOURNAL Vol.430 2019.1.27 ※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1031》
半導体材料でたちまち「脱日本化」する韓国
――米国を真似て“経済制裁”を振り回そうとして転けた安倍
【2】《CONFAB No.430》
閑中忙話(1月19日~25日)
【3】《FLASH No.335》
トランプの寵愛を得ることしか頭にないポチでは交渉にならない
――日刊ゲンダイ1月23日付から転載
■■INSIDER No.1031 2019/01/27 ■■■■■■■■■■■■■■■■
半導体材料でたちまち「脱日本化」する韓国
――米国を真似て「経済制裁」を振り回そうとして転けた安倍
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1月21日付朝日新聞の「脱『日本頼み』、韓国急ピッチ」というソウ
ル発の記事は重要である。副題は「半導体材料の輸出規制受け、対策/
超高純度フッ化水素『生産能力確保』」。
昨年7月、韓国文在寅政権の慰安婦、徴用工などの問題への態度に苛
立ちを募らせた安倍晋三首相は、君側の奸=今井尚哉補佐官の助言を容
れて、半導体製造に用いるハイテク素材であるフッ化水素など3品目の
韓国に対する輸出を規制する措置をとった。浅はか極まりないことで、
直後、私は日刊ゲンダイ8月15日付のコラムで「日本政府が韓国に対す
る事実上の“報復”として半導体関連の輸出規制に踏み切ったことが、
ブーメランのように戻って来て日本自身を傷つけるそのダメージは、一
般に想像されるよりはるかに深刻である」と警告しておいたが、その通
りになりつつあることが朝日の記事で裏付けられた。
●寝た子を起こしてしまった
日本が輸出規制をかけたのは、半導体メモリーの製造に不可欠な「フ
ッ化水素」と「レジスト」、及び有機ELディスプレーの素材となる「フ
ッ化ポリイミド」の3品目で、いずれも日本企業の世界シェアが70%、
90%を占める超ハイテク素材である。日本が技術的優位を誇るそれらの
輸出を制限すれば、例えばDRAM製造で合わせて世界シェア74%を占める
サムソンとSKハイニックスの2社も、有機ELディスプレーの製造で最先
端を走るサムソンとLGの2社も、たちまち困るだろうから、文大統領の
鼻面に食らわせるジャブとしてちょうどいいだろうと安倍と今井は考え
たに違いない。
それは余りに甘い判断で、文政権はそれでひるむどころか、逆に昨年
8月、「素材・部品・装備競争力強化対策」を打ち出し、「毎年1兆ウ
ォン(約940 億円)の予算を確保し、3品目を含む20品目は1年以内
に、80品目は5年以内に国産化や日本以外からの調達に切り替える目標
を立てた」。また「サムスン電子は日本への依存度が高い素材や部品約
220 を選び、調達先を日本以外に切り替える『ジャパンフリー』対策を
進める」ことになった。その流れの中で、1月には「米化学大手デュポ
ンが『レジスト』の生産設備を韓国につくることを決めた」(同上朝
日)。
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