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言いすぎか!!
弁護士北村晴男 本音を語る
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Vol.86
2020.1.30
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目次
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【1】 『弾圧を続ける習近平氏を
国賓として招いてはいけない!!』
【2】 『北村晴男の"素"』
【3】 『番組出演予定
イベント情報』
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【1】 『弾圧を続ける習近平氏を
国賓として招いてはいけない!!』
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ウイグル人に対する弾圧は、正確な数字は誰にもわからないが、国連や人権団体などによると、100万人近くが裁判を経ずに収容施設内で拘束されている。
そこでは、中国国歌や中国共産党をたたえる歌を繰り返し歌わされたり、イスラム教が禁じる豚肉を食べるよう強制されたりしている。
しかし、中国政府は収容施設のことを職業訓練や中国語学習を行う「職業技能教育訓練センター」だと白(しら)を切る。だが、職業訓練センターに収容されることを望む人などいない。真っ赤な嘘(マッカナウソ)に違いない。
昨年(2019年)11月、中国政府関係者がニューヨーク・タイムズ紙にリークした大量の内部文書により、習近平氏がウイグル人の取り締まりに「情け容赦は無用」とハッパを掛けていることが明らかになった。これは過酷な人権弾圧の状況を示している。もちろん、「情け容赦なく職業訓練センターに入るよう勧誘する」と国語の答案に書けば0点となる。
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強制収容所の歴史を見ると、私が知っている限りでは、ナチスによる強制収容所、ソ連による強制収容所がある。カンボジア共産党(クメール・ルージュ)のポル・ポトは、収容所に入れずにそのまま100万人を殺したが、ウイグルの強制収容所は、ナチス、ソ連に次ぐまさに悪魔の強制収容所だ。
中国共産党が率いる中国は、経済大国という仮面の裏に、ナチスのヒトラーやソ連のスターリン、カンボジアのポル・ポトと共通する、人の命を(もちろん人の自由も)虫けらのように扱う「現代の悪魔」の顔が隠れている。
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香港について、「香港は自由を失ってかわいそうだと言っても、中国と同じレベルになるだけなのだから、大したことはない」という見方をする人がいる。
だが、「元々自由がなかった中国の人たちが自由を奪われたままで豊かになる」(中国本土)という話と、「両親も祖父母もその前も、ずっと自由で豊かに生きてきた人たちが自由を奪われ、おまけに少しも豊かにならない」(香港)という話では、苦痛がまったく違う。
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現代史を見ると、日本の対中国政策は、これまですべて失敗している。
満洲国の建国が間違いだったかどうかまではよくわからない。だが、明らかな間違いは、支那事変と言われる日中戦争を拡大していったこと、そして、そこを毛沢東につけ込まれたこと(「大丈夫、間もなく日米は戦争になり日本が負ける。だから大丈夫」と毛沢東は語っていたとされる)。これが最大の失敗だ。
なお、アメリカ世論がソ連・コミンテルンに操作され、「日本は悪者、中国はかわいそう」という方向に動いたのに対し、これに有効な手を打てなかったことも日本外交の失敗だ。
戦後の最大の失敗はODA(政府開発援助)。
「中国が経済発展すれば必ず自由な社会に生まれ変わる」という幻想が日本側にあり、中国に莫大なODAを出し続けた。
中国は、そのODAを使って経済発展をし、かつ、軍備を拡張していった。
世界的な脅威・モンスターを日本が生んでしまった。
今回も、チベットやウイグル、香港への人権弾圧と台湾への侵略に向けた圧力で世界的に非難されている中国だが、習氏を国賓として招くなら「中国を支持している」というメッセージを世界に発することになってしまう。
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我々は、ナチスと軍事同盟を結んだ戦前の日本の行為を非難できるのだろうか。
歴史を振り返ると、日英同盟を破棄してドイツと同盟を結んだ日本の対外戦略は最大の誤りだった。これには中国大陸の利権を逃すまいとするアメリカの策謀があったのだが。
もちろん日本の立場を悪くしたことも大きな誤りだが、それ以上にソ連という恐ろしい敵を抑(おさ)えるためにあの恐ろしいナチスと手を組んだというところが、とんでもない間違いだった。
だが、中には日本政府の意に反してユダヤ人を助けた外交官の杉原千畝(すぎはら・ちうね)さんや、「ヒグチ・ルート」の樋口季一郎(ひぐち・きいちろう)陸軍中将など、立派な人は確かにいた。
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