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気象予報士 荒木真理子の
『風の声を聴く』
◇────────────────────────────────────────2020.2.2号 ◇
予想がとにかく難しい、予報が当たりづらい…
この1か月の感想です。
前号でも言及しましたが、特に火曜日発表の水曜日の関東の天気予報は、今年に入ってから全敗といっていいでしょう。
1月8日は東京の予想最高気温が10℃以上外れ、1月15日は予想外に雨が長引き、1月22日は予想にない雨や雪が降りました。そして、1月29日は大ハズレの印象はなかったものの、前日17時で東京15℃のところ、18.6℃と誤差3℃以上。原因は、いずれも雨が上がるタイミングのズレです。
通常なら冬晴れ続きの東京。1月の降水日数は17日と月の半分以上に及び、月間降水量は135.0mmと1876年の統計開始以来4番目の多さとなりました。
このまるで梅雨のような、異例ともいえる傾向にようやく終止符を打ったのが、1月下旬、各地に大雨や大雪をもたらしたノロノロ低気圧です。この低気圧が東へ抜けると冬型の気圧配置となり、「新たな冬」の幕開けとなりました。
このメールマガジンで何度かお伝えしていますが、予報が難しかった日や外れた日はしっかり記録しておいてくださいね。天気予報の技術は、温故知新。過去をひも解くことで、新たな未来予測を引き出すことができます。そして同じ間違いは繰り返さないこと!
似たような気圧配置になった時に「気象庁の予報はこうだけれど、コンピュータの計算値はああだけれど、あの時は違うシナリオになったから、今回もブレ幅を考えておこう」と、きっと予報に対して、慎重になれるはずです。
では、非常に難易度が高かった1月後半の天候を振り返っていきましょう。
==== 目次 ~2020.2.2号~ =================================
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