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【Vol.311】冷泉彰彦のプリンストン通信

冷泉彰彦のプリンストン通信
「不倫バッシング、そのメカニズム」  それにしても、補償金が6億円(?)とか東出氏サイドの方は大変な事に なっています。というわけで、勿論、行き過ぎ感はあるのですが、どうしよ うもない感じもします。  核家族のイデオロギーを強化できないうちに、大家族は否定され、祖父母 世代のチームワークも毒親追放キャンペーンでダメ、そんな中で無理筋のワ ンオペ育児に追いやられている層の怨念というのは、6億なんて規模ではな いと思います。  その昔は不倫にも純愛があるなどという理屈が通ったのですが、あれは、 まだまだ結婚の任意性が100%保障されていなかった時代なので、不倫に も一部の理というのが社会的にも通ったわけです。  ということは、現代という時代は、婚姻における双方の任意性は相当に実 現している、良くも悪くも祖父母世代の育児介入も断ち切られつつある、と いうことで、その裏返しとしてこの種の事案が出ると、バッシングに力が入 るというメカニズムはどうしようもない感じです。  しかしながら、このトレンドに永続性があるかというと、それほどの安定 感はないわけです。どう考えても、日本型核家族のイデオロギーをしっかり 築くということが大切なんだろうと思います。  一つの提言はイクメンの定義についての議論です。シンジロー氏の例では、 イクメン=お風呂係みたいな話が出ていましたが、さすがにそれでは弱いの ではないかと思います。個人的には、イクメン3つのタスクというのを提案 してみたいですね。  具体的には、 オムツの大きい方の対応 嘔吐対応 救急医院対応  の3つですね。これは全部エマージェンシー対応事項なので、ここで父親 サイドでの処理を100%に近づけられれば、母親サイドの負荷軽減には効 果的です。勿論、買い物とか離乳食といったタスクは即振っていいのですが、 とにかく「大オムツ、嘔吐、病院」の3点、これが大事です。  要するにイクメンというのは、核家族という育児マルチタスク処理チーム において十分な戦力になるということで、その辺を軸に日本式の核家族イデ オロギーを打ち立てて、求心力にしてゆくことはできるのではないかと思い ます。

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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