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【痛くない死に方 2020年第5号】 自宅での入浴死――死亡診断書にはなんと書く?

長尾和宏の「痛くない死に方」
  • 2020/02/07
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2020年 第5号 【長尾和宏の「痛くない死に方」】 こんばんは。長尾和宏です。 今晩は水俣で、明日は唐津で、明後日は久留米で講演があり、いま、九州新幹線に揺ら れながらこの原稿を書いています。博多駅で新幹線を乗り換えました。中国からの観光 客が減り、博多は閑散としているのかな? と思いきや、そんなことはありません。 通常通りのにぎわいのようで、ほっとしています。 今週も新型コロナウィルスの話から始めないわけにはいかないようです。 テレビでは朝から晩まで、横浜港の豪華客船の絵を流していますね。豪華客船から出た くても、出られない人達――出られる方法は、ただ一つ。検査で「陽性」と診断をされ ること。楽しいはずの船旅のエンディングにこんな結末が待っているなんて、一体、誰 が想像したことでしょうか? まるで映画のようなだと思います。 そして、テレビやラジオのコメンテンターは、訳知り顔で口々にこう言います。 「そんなに閉じ込められていたら、ストレスでおかしくなるんじゃないか」 「散歩する時間さえも制限されていて可哀想」 「別の病気にかかってしまうんじゃないか」 「これじゃあ、まるで刑務所ですね・・・」 「2週間も外に出られないなんて、考えられない状況……」 全部、正論。その通りです。乗客は、本当に不運としか言いようがありません。 そして、そういうコメントを耳にするたびに、このコメンテーターの老若男女は、ご自 分の家族や親せきが一人も、認知症の施設や、精神病棟や、障がい者施設に入ってはい ないのかな?? それとも、ちゃんと面会に行ったことがないのだろうか? と不思議な気持ちになるのです。 まるで日本中に、自由を制限されて閉じ込められているのはこの船の中の人だけだと いうような過剰報道……。何ゆうてんのや、と心の中で毒づいてしまうのは私だけでは ないでしょう。

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