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今市太郎の戦略的FX投資
ファンダメンタルズでテーマを見極め
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2020年2月18日号
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中国新型肺炎のもう一つのリスク~インフレが顕在化すればFRBの緩和政策はとん挫し相場は大きく下落の恐怖
新型肺炎はすっかり日本が感染国の状態に陥り中国の問題から
本邦起因の国内の問題へとステージが大きく変わろうとして
います。すでに感染経路はよくわからないと厚生労働大臣が
大っぴらに会見で口にするわけですから、発症原因、感染経路、
潜伏期間、対処法、決定的なワクチンを含めてほぼすべての
ことが何も判らないという極めて特異な状況に陥りはじめて
います。命がなくなるかもしれないのに相場の視点で新型
肺炎の話をしても意味なしと怒られるかもしれませんが、この
メルマガはあくまでFXの視点でものを語る形になっています
ので、金融市場の視点からもうひとつ別の中国新型肺炎の
リスクについて触れておきたいと思います。
■中国からの商品の供給停止が深刻なインフレを招く可能性
米国の金融市場は中国での新型肺炎感染者数が増えたり、日本で
感染者数が増え死亡者が出たといった報道がでますとアルゴリズム
が相場の初動をけん引しているだけに多少の反応は見られる状況
ですが、米株相場に関しては理由が何にせよ押し目は絶好の
買い場とばかりすぐに相場が戻す特異な状況に陥っており、
要は相場が下落すればまたFRBがなんとかしてくれるという
非常に安易で楽観的な相場を依然継続中です。しかしそううまく
行かないのがリアルな相場で過去にも必ず想定外の事象が相場
の動きを崩すことが起きており、それが今回の中国発のいきなり
新型肺炎リスクとなる可能性が極めて高くなってきているのです。
まずこの新型肺炎が世界的にインフレを引き起こす危険性が
高まっていることを認識しなくてはなりません。
もともとこの肺炎発症前から中国は豚コレラの影響で豚肉が
かなり高騰したことから消費者物価が大きく上昇していました。
ここにこの肺炎の問題がいきなり国内全土に顕在化している
わけですから、生産活動の停止、物流の寸断からモノ不足が
大幅な物価上昇を引き起こす可能性が出てきているのです。
実際中国消費者物価指数は上昇傾向にあり、これが現実のもの
になるリスクは相当高まっています。インフレが進行すれば
中国といえども緩和措置を続けることができなくなるのは
当然の事態で、今度はインフレ圧力が世界の経済を席捲
する可能性がでてきているというわけです。
米国市場は上述のとおり新型肺炎に非常に冷静な対応をして
いますが、インフレリスクが発生するのは同様ではからずも
価格の安い消費財はほとんどすべてが中国から入ってきている
のが実情ですから中国製品の供給が長期にわたりストップする
ことになれば需給という側面で物価上昇を引き起こすことは
不可避の状態に陥るものと思われます。
■インフレへの準備が全くできていない米国市場
FRBが今も重視している物価指標は足元では1.6%であり、
ここ10年のFRBの目標インフレ率である2%を大幅に下回り
ながら推移しています。インフレターゲットには到達していない
わけですが、逆にインフレが起こらないからこそ足元で行われて
いるような過剰な緩和措置を延々と続けられているともいえる
わけですが、これがひとたびインフレモードへと転換した場合
利下げもできなくなりますし、資産拡大といった緩和措置も
ストップせざるを得ない状況がやってくる可能性が高くなります。
実はこれが非常に各国の中央銀行にとっては大きな試練であり
本格的なインフレが起きればどこの中央銀行も金融緩和をこれ
以上続けられない状況に陥るのは間違いありません。
こうしたインフレ、ある意味で決して景気がよくなっている
わけでもないのに物価だけ上昇するスタグフレーションが顕在化
しFRBが緩和措置をとん挫させざるを得なくなりますと、足元
の過剰暴騰相場はいきなり終焉を迎え、今度は大効く下がりだして
大きな痛手を食らうであろうことは間違いありません。
こうした状況に対してはFRBも市場もまったく準備ができて
いないのが実情で、実際にインフレが示現しはじめるとかなり
慌てる状況に陥りそうです。
■ファンダメンタルズが全くワークしない相場に厳しい巻き戻しの洗礼が下る
このメルマガではとにかくファンダメンタルズが全くワーク
しない最近の株式市場が相当危険なところにあり、このまま
の状態が長く続かないのではないかということを再三にわたり
訴求し続けていますが、その反転タイミングの引き金を引くのが
この新型肺炎によるパンデミックリスクなのではないかと
予想する次第です。この見方が正しいか完全に間違っている
のかはここから3か月の相場の状況を具に観察していれば
自ずとその結果が判ることになるものと思われます。
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