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[高野孟のTHE JOURNAL:Vol.433]迷走状態に陥った秋田・山口「イージス・アショア配備」

高野孟のTHE JOURNAL
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 高野孟のTHE JOURNAL Vol.433 2020.2.17 ※毎週月曜日発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 《目次》 【1】《INSIDER No.1034》    迷走状態に陥った秋田・山口「イージス・アショア配備」    ――レーダー選定を巡る疑惑も浮上 【2】《CONFAB No.433》    閑中忙話(2月9日~15日) 【3】《FLASH No.338》    「三権の長」のごとく振る舞う超憲法的政権の異常人事    ――日刊ゲンダイ2月13日付「永田町の裏を読む」から転載 【4】《SHASIN No.384》付属写真館     ■■INSIDER No.1034 2020/02/17 ■■■■■■■■■■■■■■■■ 迷走状態に陥った秋田・山口「イージス・アショア配備」 ――レーダー選定を巡る疑惑も浮上 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  安倍晋三首相の米国製高額兵器“爆買い”計画は、航空自衛隊への F35B垂直離着陸戦闘機の導入(とそれによる護衛艦「いずも」の空母 化)と、陸上自衛隊へのイージス・アショア(陸上配備型迎撃ミサイ ル)システムの導入とを2本柱としていて、いずれも、専守防衛を旨と するはずのこの国に“敵基地攻撃能力”を持たせて「戦争ができる国」 を蘇らせようとする彼の野望が漲っている。  ところが、後者のイージス・アショアは、秋田県秋田市の陸自新屋演 習場と、山口県萩市・阿武町の同むつみ演習場とを候補地とすること を、双方の地元に一言の相談もなく一方的にマスコミ(17年11月11日付 読売のスクープというよりもリークによる与論誘導)を通じて宣告する という、粗暴としか言いようのないやり方で始まり、その後の政府・防 衛省の態度もデタラメだった。  そのためこじれにこじれ、ついにこの2月12日には、自民党秋田県連 の金田勝年会長が上京し菅義偉官房長官、河野太郎防衛相に個別に面会 を求め、「新屋配備には無理があると言わざるを得ない」と伝え「新屋 ありきではなくゼロベースで調査を進める」ことを求める要望書も提出 した。菅は「重く受け止め、ゼロベースで考えている」と答えた(秋田 魁新報2月12日付)。  この様子を見て、一貫して態度曖昧のまま過ごしてきた萩市の藤道健 二市長は「新屋が変更の可能性があるうちは、むつみへの配備について 判断することはできない」と、留保の態度をむしろ強めている。またむ つみに隣接する阿武町の花田憲彦町長は、当初から反対を主張してきて いたが、ますます態度を硬くし、「むつみ演習場から一番近い牧場(夫 婦が居住)までは100メートルもない。集落までは700メートル。ルーマ ニアのイージス施設は人里離れた約9平方キロの基地の中にあります。 ポーランドの施設は市中心部から4キロでも近すぎるといわれている。 この基準なら、むつみはアウト」「私は今でも自民党員です。しかし、 私は、町民から選ばれた町長です。まずは町民の生命の安全と安心が最 優先」と、ボルテージを上げている(16日付赤旗日曜版)。

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