▼「GDPマイナス6.3%の意味」
2019年10から12月期の実質GDP成長率(年率換算)がマイナス
6.3%ということで大騒ぎになっていますが、どう考えたらいいのでしょ
うか? 考えてみれば、2014年の消費税アップ(5%から8%)のとき
は次のような経緯となっていました。
・消費税率アップは4月1日。
・4月から6月期の実質GDP成長率はマイナス7%がコンセンサス(市場
アナリストの見通し)
・でも、実際はマイナス7.4%(確定値)。速報値はマイナス6.8で、
まあ想定内という反応。
・だが、問題は7月から9月で、コンセンサスがプラス2.2%だったのが、
前年比マイナス1.6%で、これがショックとなり、政権にもトラウマに。
ということです。では、今回はというと、
・消費税アップは10月1日。
・発表直前のコンセンサスはマイナス3.8%。
・ところが、2月17日の速報値はマイナス6.3%で大ショック。
という感じになっています。
この2014年と19年の違いですが、次のように整理できると思います。
・14年は5%から8%(一律)とアップ幅が大きかった一方で、19年は
8から10%と幅が小さいし、軽減税率やポイント還元もあって、駆け込み
需要と反動は少ないはず。
・一方で、デフレ体質は深く染み付いており、消費マインドは14年より1
9年にかけて一段と悪化。
・加えて、台風被害による需要スローダウン、生産スローダウンといったネ
ガティブ要因も。
ということがあって、落ち込みが大きくなっているのだと思います。
更に言えば、2014年から19年にかけての日本経済は、例えば北米へ、
そして何よりも武漢を中心とした中国へと、猛烈なスピードで生産や研究開
発を空洞化させてきたのだと思います。
そうなると、国内に残ったGDPというのは個人消費、一部の設備投資に
加えて、巨大な観光産業(約40兆円、GDPの8%程度)が中心になって
いるわけです。ですから、税率アップの反動と、台風の影響は、5年前以上
のインパクトがあったと考えられます。
そう考えると、これはアベノミクスの失敗だとか終焉だというような無責
任な議論ではなく、日本型空洞化の進行によって、日本経済の中身がよりス
カスカとなり、結果的に台風や税率アップの影響をモロに受けたということ
になると思います。
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