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官僚の政権忖度と自滅的劣化がこの国を低レベル高リスク国へと押しやる結果に

今市太郎の戦略的FX投資
****************************************  今市太郎の戦略的FX投資  ファンダメンタルズでテーマを見極め  テクニカルで実証してエントリーする     2020年2月19日号  ツイートアカウント @imaichitaro  よろしかったらフォローもお願いします。 ***************************************** 官僚の政権忖度と自滅的劣化がこの国を低レベル高リスク国へと押しやる結果に 明治政府の樹立以降、この国はよくも悪くも官主導で列強の 世界主要国に追いつき、追い越そうとしてきたのは皆さまよ ご存知のところと思います。それがすべて正しかったかどうか にはもちろん疑問も残るところがありますが、国の厳密な ルールの実現と維持のために役人が大きく貢献してきたこと は間違いなく、少なくとも戦後のわが国の発展をリードして きたのはまさに官僚であったことがわかります。しかし足元 の安倍政権ではこうした官僚、つまり上級公務員を中心と した優秀だったはずの役人がうまく機能しなくなり、新型 肺炎のような未曽有の国難に政府が高次元で対応できなく なるという著しい劣化が顕在化していることが非常に危惧 される状況となってきています。 ■自民党政権では長く政治家と官僚が折り合う形で高品位な政府を形成 戦後、国内では自民党政権が長く続き、政治家と役人との関係 というのは一定の不文律が形成されてきたことは厳然たる事実 です。これが役人天国の勝手なルールを形成し、特別会計予算 が莫大なものに膨れ上がり切り崩せなくなるといった弊害が あることは間違いありませんが、逆にどんな政権が誕生しても 上級公務員たる官僚が国を牛耳ることで一定以上のクオリティを 維持することに貢献してきたことは残念ながら認めざるをえない ところです。 ■民主党政権でいきなり官僚が内閣に反旗を翻す形に 2009年9月、劣化が進んだ自民党にとって代わり総選挙で 野党第一党であった民主党が単独で過半数を得て政権交代が 実現しました。これは実に戦後はじめての事態で新たな時代の 到来を感じさせるものがありました。しかし精度の高くない 粗削りの民主党政権に強い抵抗感を露わにしたのもまた国内の 官僚であり、民主党政権は各省庁の官僚の様々な抵抗にあう 形で新しい政府の形成を実現することができなくなります。 結果官僚を排除した政治主導の政権運営は完全に空回りと しはじめ、わずか3年3か月でその幕を閉じることになります。 ■返り咲きの安倍政権の官僚人事完全掌握で官僚組織はずたずたに崩壊 そしてさらに総選挙後総理大臣に返り咲いたのが今の自民党の安倍 首相で、当時は官僚も民主党から自民党に政権が戻ったことから かなり一安心したものと思われます。 しかしこの首相は内閣人事局なるものを設定して役人の人事権を 完全に掌握することに成功してしまい、ここから高級官僚の キャリアパスが大きく変化することになってしまうのです。 本来どの省庁でも事務次官や局長レベルの人事に関しては完全に 各省庁が決定し、政権はよほどのことがない限りをの結果を エンドースする存在だったわけですが、第二次安倍政権以降は 強く首相および官邸の意向が発揮されることになり、とくに首相に 近く、政権にプラスに働くものが出世するという、これまでの 官僚社会の独自のプロモーション体系がいきなり崩されることに なってしまいます。 これが正しい政治主導であればよかったのですが、ふたを開いて 見れば議会で多数さえ占めれば何をしてもいいという安倍首相の 無茶苦茶な政権運営論理に振り回され、森友の件でも加計学園の 件でも直近で桜を見る会の不正にしても、これまでではありえない ようなことを次々しでかす首相に官僚が忖度という形で延々と しりぬぐいを強要されるようになり、それに貢献した役人だけが 昇進や栄転という輝かしいキャリアパスにありつくことができる という猛烈にいびつな仕組が出来上がってしまったわけです。 厚生労働省の女性幹部と海外出張でコネクティングルームをとって ねんごろの関係を続けてきているあの補佐官などは同じ高級官僚 の出身でも完全に政権の懐刀として動いており、この人物に逆らう 官僚はすべて内閣に即報告がいくという、旧ソ連のスターリンの 恐怖政治を思わせるほどの官僚制圧政治がおこなわれるようになり ほとんどの省庁のトップクラスの官僚は否応なく政権の言うことを 聞かざるを得ない状況に陥ってるのがまさに足元の状況といえます。 したがって公的な文書の改ざんや捏造、表面上の廃棄等これまでの 官僚社会ではありえなかったような話が次々と登場するようになって いるわけですが、事実と異なるものばかりですからいくら野党の 議員に追及されてもまともに答えられないものばかりが示現し、 押し問答に大量の時間をかけるという極めて非生産的な事態が 延々と続いています。 このフィルターをもって現状の政治をみるとすべてがこの手の 動きに陥っており、完全に官僚が抵抗できない体制が出来上がって 仕舞っていることがよくわかります。 ■歪んだ忖度で表面上内閣を支えるだけなので個別閣僚の馬鹿さ加減が露見 今年の通常国会を見ていますと、相変わらず役人がレベルの低い、およそ 不適格としか思えない大臣や官房長官の答弁に必死に差し紙をいれて答弁 を補佐する官僚の姿が映像に映し出されますが、確かにサポートは続け ているのでしょうが、ある意味言われたことだけをやるという姿勢も 顕在化しているようで、閣僚の答弁にも粗が目立つようになり、個別の 大臣の不適格さというものが非常に目立つような状況に陥っている ことがわかります。闇雲に官邸との距離を近づければそれなりの メリットもあるのでしょうが、逆にとてつもない反組織的なことを 押し付けられる羽目に合うわけですから微妙な距離感をとって言われた こと以外はやらないというかなりパッシブな姿勢に多くの官僚が 陥るようになっているのはよくわかるものがあります。 結果官僚の忖度と既存の組織運営の崩壊による自滅的な組織の劣化や ある種の厭世的気分というものが大臣を支えない各省庁という 形で顕在化しつつあることが見えてきます。 桜を見る会にしても定年の高検検事長の無理やり定年延長にしても 補佐官と厚労省の女性官僚との不適切交際問題にしても、まともな官僚が 周辺を固めて法律違反をがんとしてはねのけることができればこんなに ひどい脱法政権が7年も続くわけはないのですが、すでにこの裸の王様に 裸であることを告げるものすら存在しなくなったことが感じられます。 ■横浜のクルーズ船の一件を見ても政府は全く適切に機能しない状況に 前置きがかなり長くなりましたが、直近では新型肺炎に対する政権と 政府の対応が猛烈に劣化し、完全に後手に回る状況が展開されはじめ ています。横浜に入港したダイヤモンドクルーズ号の乗客、乗組員 に対する対応では単なる船上島流しのような状況を作り出したところ 案の定10%を簡単に超える発症率を引き起こす結果となっています。 大蔵官僚出身の加藤厚生労働大臣も現役官僚の手厚いサポートや 不測の事態への厚生労働省全体の支援体制が得られないのか、口に することは実に稚拙で、37.5度以上の発熱が4日以上続く場合などは、 各都道府県の「帰国者・接触者相談センター」に相談した上で、センター が指定する医療機関で受診するようにとすすめていますが、要は 闇雲に医者に殺到するなと暗に示唆しているわけで、検査の実態は 完全に現場丸投げになってします。政府は感染拡大を防ぐために 不要不急の外出は控えるように訴え、テレビCMなども投入しようと しているようですが、他国の防疫対策とは隔世の感があるのは事実で 国としての対応はもうぼろぼろのレベルに陥っています。 ただ、当該クルーズ船の一件では日本という国のリスク管理が 全くできていない稚拙な状況が世界的に完全に露見しはじめており オリンピックを控えて逆にとんでもない信用失墜と主要感染国 というレッテルを張られる結果になりはじめており、国としての 損失は想像をはるかに超える莫大なものになろうとしています。 ■生産労働人口の半分が働けない事態になればGDP半分といった驚愕の事態に 政府はいまごろテレワークを勧めていますが、業態と業務内容に よっては対人接触を余儀なくされる業務は非常に多岐に及んで おり、簡単には実現しない部分が多いうえに熱があるので お休みしますと言ってはいそうですかと言う民間企業が果たして どれだけあるのかも大きな問題で、多くのサラリーマンにとって 不要不急の外出はしないようにと言われても現実に実現する ことは不可能に近く、決定的感染を止めることはできないように 見えます。 あくまでたらればの話ですが、致死率は低いとしても国内の 生産労働人口の半分、つまり総人口の3割が一定期間全く 労働できなくなるといった事態に陥ればGDPがいとも簡単に 半分にまで下落するといった驚愕の事態に陥ることは決して ありえない話ではありません。 既にご存知のとおり2019年10月~12月の実質GDPの 伸び率は年率換算で実にマイナス6.3%にも及んでおり、 東日本大震災が発生した直後の2011年1~3月における 同実質GDPの年率換算のマイナス3.5%の1.8倍もの 大きな下落に陥っています。新型肺炎対策のオペレーション の方向を間違えば今年の本邦経済は1998年を大幅に超える ほどの大打撃を受けることは間違いなく、安倍政権の対応が 間違えば未曽有の経済打撃をこうむることになることは しっかり認識しておかなくてはなりません。 日本株はこうしたあり得ないような最悪の事態をまだまったく 織り込んでいませんが、ここから激しく売られる可能性は 十分に考えられ、為替もそれに影響をうけてドル円が大幅 下落に転じるといったことは覚悟しておかなくてはなりません。 金融市場の状況にたどり着くまでにはじつに長い説明に なってしまいましたが、われわれが足元で直面している 危機的状況はかかるような政権と政府の最悪の構造が 激しく影響を与えていることだけはしっかり認識する必要が ありとえいえます。まったく困った事態です。 まぐまぐ! はじめての方 読むには メルマガ発行する 最新のお知らせ お問い合わせ 登録解除 メルマガ定食 新作メルマガ ランキング 殿堂入りメルマガ スタッフ厳選メルマガ

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