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第577回 いま中国経済はどうなっているのか?新型肺炎の最新情報、新型肺炎は予告されていた?
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▼今回の記事
まず今回は、新型コロナウイルスに関する最新情報を書く。次に、中国経済の現状と、それが日本にもたらす余波を見て見る。
最後に、すでに2010年に新型コロナウイルスの蔓延を予告していたビデオを紹介する。
▼新型コロナウイルスの最新情報
※重要なビデオ
すでに拡散しているようだが、まずは次のビデオをぜひ見てほしい。いま横浜港に停泊しているクルーザー、「ダイアモンドプリンセス」の内部の状況だ。ウイルス蔓延が止まらない理由がよく分かる。投稿者は、感染対策の専門家である岩田健太郎神戸大学教授である。
https://www.youtube.com/watch?v=W3X3RSmf7ds&feature=youtu.be&fbclid=IwAR096G71X5TZUl8dyB37e-wn1E6-g2hya68LNITTVJTG8SaU6NgeNgcPDFs
このビデオにある通りの状況だとすると、感染の蔓延はさらに広まる可能性が高い。要注意だ!
それでは今回最初のテーマを書く。日本では報道されていない新型コロナウイルスに関する情報だ。
いまこの記事を書いている2月19日時点での数値だが、新型コロナウイルスの感染者は75195人で死亡者は2009人、回復者は14529人、致死率は2.67%、回復率は19.32%だ。ちなみに日本はクルーザーの「ダイアモンドプリンセス」の感染拡大があるため、感染者は616人、死亡1名と中国に次いで世界第2位だ。
2003年の「SARS」や、2012年の「MERS」などと比べると致死率が低く、また中国における感染者の増加は2000人を切るようになってきており、次第に拡散のスピードが鈍化しているように見えものの、まだまだコントロールされてはいない状況だ。情勢は刻一刻と変化しており、その度に新しい情報が出ている。
●感染者数が低すぎる
まず、最近になって指摘されてるのは、中国の感染者数が相当に低く見積もられているのではないかという疑惑だ。ダウジョーンズが発行している投資情報誌、「バロンズ」の記事によると、湖北省における火葬場はどこも処理できるキャパシティーをはるかに越えて稼働しており、現在の低い致死率(平均2.67%、湖北省3.1%)では低すぎるのではないかとしている。
この記事によると、感染者数、及び死亡者数の増加は感染拡大の予測に使われるコンピューターモデルと完全に一致しており、発表された数値は実際のものではなく、このモデルに基づいた予想値なのではないかとしている。
「バロンズ」のこの記事によると、コンピューターモデルの予測値と現実の数値が完全に一致することはなく、かなりの程度でずれが生じるという。しかし、中国が発表している数値はモデルの予測値とぴったりと一致している。これは中国が、実際の感染者数や死亡者数を発表しているのではないことを示している可能性があるとしている。
事実、ニューヨークに本部がある中国語専門局の「新唐人電波視台」のサイモン・ガオ記者は、武漢市の火葬場にかたっぱしから電話取材をした。すると、1日約470人が新型コロナウイルスで死亡し、1月25日から2月12日までに8000人が死亡しているという結果を得た。
また「バロンズ」は、死亡者数が低いのは、死因が肺炎によるとされ、新型コロナウイルスの感染者の扱いになっていないケースや、感染しても医療機関にかからずに自宅で死亡したので、感染による死亡者数から排除されたケースなども、統計上の死亡者数を低くした原因ではないかとした。
もしこれが事実だとすると、湖北省における2月12日までの感染者数は3万300人程度なので、致死率は24.2%程度になる。これは、2003年の「SARS」の9.6%よりも高く、2012年の「MERS」の34%よりも低い。かなり致死率が高いウイルスだといわねばらない。
トランプ政権も同じように中国政府の公式発表を疑っており、「中国からの情報の信頼性は高くない」としている。このような世界的なパンデミックが予期されるとき、各国の感染病の専門家が現地に入るのが通常だが、今回中国政府はアメリカの「疾病対策センター(CDC)」の専門家が中国に入ることを許可していない。感染の実態はもっとひどく、それが知られるのを恐れているのではないかとも見られている。
●偽陰性の問題
一方、そのような状況で、新型コロナウイルスの検査が、誤った陰性判定を出しているのではないかと、深刻な懸念が生じている。各国の報道によると、最終的に感染していると診断されるまでに、最も多くて6回、陰性と判定されていた患者がいたとされる。
新型コロナウイルス感染の検査は、まず患者から検体を採取することからはじまる。次に、それを検査機関に運び、新型ウイルスの遺伝コードを取り出す。それを繰り返しコピーし、検査できるよう大量に増やすというものだ。
これは「RT-PCR」法と呼ばれる検査方法だが、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)やインフルエンザなどウイルスの診断に医療機関で広く採用されていて、通常は信頼性が高いとされている。しかし、新型コロナウイルスの肺炎は、肺の深い部分から炎症が拡大する傾向が顕著なので、肺の上部にある気管から組織を採取する検査方法では、ウイルスが検出されず、陰性となる場合もある。
ということでは、新型コロナウイルスの検査で陰性と出た人々のなかにも、実際は感染しているケースもある可能性が指摘されている。ということでは、実際の感染者数はもっと多いのかもしれない。
●潜伏期間の長期化、24日
また、今回の新型コロナウイルスは、潜伏期間がどんどん長期化する傾向が顕著に見られるようだ。当初は最大でも14日間程度と見られていた潜伏期間だが、いまでは24日間と長期化しているケースが武漢などで見られるようになっている。
通常感染者は、明白な症状が出てから医療機関に行く。潜伏期間では症状が出ていないので、感染者は動き回り感染を拡大する恐れがある。もし潜伏期間が24日のケースもあるとするなら、それだけ感染者は長期にわたって活動するので、より多くの人間に感染を拡大する可能性が大きい。こうした点からも、特に中国における実際の感染者の数は、もっと多い可能性が指摘されている。
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