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上昇続けるFRB主導米国人工相場の転換点は中国起因のグローバルSCM崩壊からか

今市太郎の戦略的FX投資
****************************************  今市太郎の戦略的FX投資  ファンダメンタルズでテーマを見極め  テクニカルで実証してエントリーする     2020年2月24日号  ツイートアカウント @imaichitaro  よろしかったらフォローもお願いします。 ***************************************** 上昇続けるFRB主導米国人工相場の転換点は中国起因のグローバルSCM崩壊からか 今年から天皇誕生日は2月24日ということでまだどうも慣れない 状況が続いていますが、本日は三連休でお休みという方も多いこと と思います。 そんな本日はここのところ、どんなにリスクのあるネガティブな 材料がでても一切大きな下落をしない米株相場ととうとう長年の 参画持ち合いの抵抗線を抜けてきたドル円の今後について考えて みたいと思います。 ■ニューアブノーマルとかメルトアップと呼ばれる相場 このメルマガでは既に何度となく触れていますが、とにかくFRBが 過去のQEをはるかに超える事実上のQE4で結果的にトランプに 忖度する形で市場に資金を提供しまくっていることからその 余剰資金のほとんどが金融市場に流れ込んでおり、米国の市場は 株も上昇し債券の価格も上昇しファンダメンタルズの材料は ほとんど何も相場に影響を与えないというきわめて特殊な状況 に陥っています。長く相場をみてきたトレーダーにとっても こうした不可解な状況に遭遇したことがある人はほとんど いないはずで、中央銀行が主体で引き起こすバブル相場の底力 の強さというものを改めて感じさせられる状況になっています。 米国の株式市場はとにかくこうした動きが顕著で本来なら 追随できるような良好な経済環境にない日本株、日経平均も 新型肺炎の国内感染拡大という非常にリスキーな状況でも 今のところ大きく下げることのない違和感たっぷりの時間帯を 過ごしている状況です。 こうしたなんだかよくわからない相場状況を米国ではニューアブ ノーマル相場などと呼んだり、本来崩れるはずなのに大きく 盛り上がるメルトアップ相場などという名称がついたりして いるようですが、まじめに裁量取引をしてこれまで長年に わたりファンダメンタルズを重視しながら相場に取り組んできた 個人投資家にとってはまったく無力感しか感じない意味不明 相場になっていることと思われます。 ■ウォール街のファンドマネージャーはとにかく追随あるのみ もともと正社員として勤務することができても雇用の賞味期限が 極めて短くファンドマネージャーならほご3年程度でほとんどが クビを切られることで有名な米国ウォール街では、ほとんどの マネージャーがイチかバチかで相場に爆益をもとめて勝負します から儲かりそうとみればどんなに恐ろしい相場でも飛び乗って ついて行くという動きをすることは市場では広く知られいます。 まさに足元の状況はそれに匹敵するものであり、個人投資家と してはさすがに怖いと思う相場でも上昇についてく動きを見せて いるのが実情です。またクォンツやAI実装のアルゴリズムも 価格の高い相場に飛び乗ることはまったく躊躇せず、トレンド さえでれば平気でついていくわけですからこうした相場が 延々と続くひとつの原動力になっているともいえます。 もし相場が崩れても所詮会社のカネですからクビさえ覚悟すれば いいという割り切りがこうした投資行動につながるのだろうと 思いますが、個人投資家はとにかくすべて自前の資金ですから こんなに簡単に割り切るわけにもいかず、相場の動きと投資 行動に乖離ができるのも無理はない状況です。 ■この壮大な人工上昇相場をとん挫させるのは中国起因のSCM大寸断か 現状ではFRBが莫大な金額の隠れQEを完全にやめないかぎり 米国の株式相場は延々と上昇を続けるのではないかという錯覚 にさえ陥りかねない状況ですが、このリスク無視相場に完全と 立ちはだかることになりそうなのが中国起因の新型肺炎による グローバルサプライチェーンの寸断、崩壊から始まる大問題 ということになりそうで、この部分の経済的損失がどれほど なのかについては正確に分析できているシンクタンクも存在 しておらず、かなり恐ろしい状況がいきなり示現することが 危惧されはじめているのです。 たとえば、帝国データバンクの調査では国内企業でなんらかの 形で中国から製品もしくは中間財(部品等)を輸入している 企業はなんと2万社弱にのぼっており、そのうちの5000社 についてはかなり細かく輸入の状況が確認されているようですが グローバルサプライチェーン(SCM)を利用して部品メーカー から自動車やIT製品など最終消費財を仕入れているメーカー にとっては具体的に下請けや部品メーカーがどこまで中国製品を 利用しているのかを完全少額しているところはほぼ皆無に等しい とされており、工場を稼働しても特定部品だけが全く供給され ないといった大問題がいよいよここから顕在化してくることが 予想されます。 とくに中国では工場が稼働しないことで製品がうまく納入できず 取引関係の支払いに遅滞と来すとともに従業員への給与の支払い も不能になり雇用者の解雇や企業の倒産といったケースが多発 することが考えられるだけに同様のことが国内企業にも起きる リスクはかなり高くなりそうで、とくに中小企業にとっては まったく想定していなかった極めて重大なリスクになることが 予想されはじめています。こうなりますとリアルな製造業を 中心とした経済から金融市場にリスクが入り込み、株価の下落や 社債をはじめとする債券のデフォルトなどが想像を絶するほど 拡大することで、これまでのバブル崩壊とは全くことなる形の 金融市場の崩壊が進む可能性がかなり高くなるものと思われます。 足もとでは中国の新型肺炎など相場下落による押し目の絶好の 買いチャンスであると豪語する向きが米国市場には多く存在 するようですが、実はとんでもないリスクの引き金が引かれて しまう危険性が高いこともしっかり認識しておかなくてはなりません。 こうした危機的な状況は3月以降、4月、5月と月を追うごとに 具体的な状況が顕在化してくることからやはりコロナウイルス 相場暴落については常に意識せざるをえない状況になっている ことがわかります。 これが単なる行き過ぎた、或いは考えすぎの取り越し苦労に 基づく脅かしならばそれに越したことはありませんが、現実の 問題になろうとしている点を考えますと血の気の引く思いが してきます。 ■国内では労働者の勤労不能状態に陥ることが恐ろしい 今回の新型ウイルスの正確な発症率や死亡率は依然としてよく わからない状態ですが、これまでのところWHOをはじめとして 致死率は意外に高くないという結果が示されています。 しかしこれが逆に感染率を高めてしまうと危惧される部分でも あり、いきなり重篤な症状にならないことから感染していても 多くの労働者が日常的な移動と他人との接触を継続すること から爆発的な感染率を呼び起こす可能性がかなり高まりそう な状況です。 仮に生産労働人口の半数が一時的にせよ1か月から数か月 休業せざるを得ない状況に陥りますと、国内人口の3割 程度がなんら生産やサービスの提供活動ができなくなる勘定で 簡単にGDP6割とか半分にしてしまうような威力を発揮 することになります。こうなると国内経済は想像をはるかに 超えるほど落ち込むことになり、生産から消費にいたるまで あらゆる産業が危機的な状態に陥る危険性がでてきます。 この手の話はいくら悲観的な予測をしてみてもほとんど意味が ありませんが、もはや国内での新型肺炎の流行と爆発的 感染はこうした悲劇的なシナリオさえ考えなくてはならない 時間帯に入っていることだけは間違いありません。 米株も日本株もどうもリスクお構いなしといった雰囲気が強く 漂っていますが、いきなり反転大幅下落に直面することも ありうることを前提にトレードする必要がありそうです。

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