【痛くない死に方　2020年第７号】町医者だから言いたい！～新型コロナウィルス　10の質問にお答えします～

２０２０年　第７号 【長尾和宏の「痛くない死に方」】 こんばんは。長尾和宏です。 ２月もあと残すところ10日となり少し春めいてきました。花粉症の人も増えています。 連日連夜、新型コロナウィルスのニュースばかりがトップとなります。 私も、予定されていた講演会や勉強会が、次々と中止の連絡が入った今週です。 こんな状況になると、平穏死とか、人生会議で議論出来ている日常は、この国が平和で ある証なのだな、と不思議な気持ちに襲われます。 昨日は、ロンドン市が「東京の代わりにロンドンでオリンピックを」と言い出したとの ことで、日経平均株価が暴落しました。まさに、「経済が感情で動いた」日です。 まさか本当に、東京オリンピック中止ということにはならないでしょうが、世界は今、 中国よりも日本の動向を注視していることは間違いありません。 万が一、一部の専門家が仰るように、新型コロナウィルスの本格的な流行はこれから、 ということであれば、最悪の事態も致し方ないと思います。オリンピックより人命です。 それよりも気になるのは、今この状況で、景気が悪くなったときに、弱者から切り捨て られていくことが目に見えているからです。数々のイベントが中止に追い込まれ、正規 雇用でない人たちはもう、収入が減っているのではないでしょうか。 尼崎では、外食業や警備員や工事現場など、日雇いで働いている人たちがたくさんいま す。高齢の方もたくさんいます。さらにここにきて、五輪の中止が決定されたら、食べ ていけなくなる人たちがたくさん出てくるのではないだろうか……さまざまな立場の人 のことを考えなければならないと思います。 高齢労働者、で思い出しましたが、先週、国内で70代のタクシー運転手が新型コロナウ ィルスに感染したという報道があったとき、中国版のTwitterである微博（ウェイボー） では、感染のことよりも、「70代のタクシー運転手がいるなんてありえない！　このニュ ースは間違えている！！」という話が話題になったといいます。……なんとも複雑な気持