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ビジ選☆リーダーズ Vol.842『メンタルの強化書』(佐藤 優)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ ■■下品化する社会とどう付き合うか ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ メンタル面での不調を訴える人が増えている。1人ひとりが自分と 家族、友人たちをメンタル面での疲弊から守るために具体的に何か をしなくてはならない。 「私とは、私とそれを取り巻く環境である」という言葉がある。つ まり「私」は心を持っている自分自身と、自分を取り巻く環境の2 つの総体であり、相互作用なのだ。 だから「メンタルを強くしたい」「心を折れないようにしたい」と 考えるなら、やるべきことは2つだ。まず、自分の内面を強くする。 心を硬くするのではなく、しなやかに柔らかくするということだ。 頑なな心は、一見強そうだが、環境が変化すると折れてしまうもの だ。一方、しなやかで柔らかい心は、環境の変化や圧力があっても 折れることはない。 もう1つは、自分を取り巻く環境を変えていくことだ。できる限り ストレスの少ない、快適な環境に変えていくことが大事なのだ。こ れら2つを意識的に変えていくことが、強く生きる上で大事なのだ。 ★ 心が折れそうなことがあった時は、その原因が自分の内面的か、環 境の影響か、あるいはその両方なら、それぞれどれくらいの割合か、 それらを見極めて対処する必要があるのだ。 もちろん、内部因子には遺伝の影響もあるが、環境づくりに心がけ れば、発病しないこともできる。心を病んだからと言って一概に自 分を責めるのは間違いだし、環境のせいだけにするのもおかしい。 しなやかで折れない「強い心」を作るには、自分自身の考え方や心 の構え方を変えると同時に、折れにくい環境を整えるように心掛け ることが肝要なのだ。 ★ 情報感度の高い人ほど、世の中の動きに乗り遅れると大変なことに なると危惧し、知らないうちに流行やコマーシャリズムに乗せられ てしまう。 本当は他者の思惑にのせられているのに、主体的な行動だと思い込 んでいる。いわば「前のめりな生き方」だ。情報社会の中で、何か に突き動かされるようにして、前に前にと進んでいく。 スピードは加速度的に上がり、最後は次の足が間に合わず倒れてし まう。あるいは、何か障害物にぶつかってしまう。つまり挫折した り、メンタルを病み、自滅してしまう。 立ち止まることができる力こそが教養だ。前のめりに突き進むので なく、周囲の人たちが、社会が前のめりになって同じ方向に突き進 んでいる時、「あれ? おかしいぞ」と立ち止まるべきだ。 前のめりに情報に飛びつくと、ミスリードされていまう。まず立ち 止まって「なぜこんな情報が出てくるのか」「どこから流された情 報か?」「目的は何か?」を考えることが大事だ。 ★ 世の中で言われていることが本当に正しいかどうかはわからない。 むしろ、いろんな思惑の中で、一部の人間に都合のいい論理が先行 していることも多い。 そこで「人よりも半歩遅れて進む」という考え方をお勧めする。少 し引いて物事を見れば全体像がはっきりする。そうして時間を稼い で判断する。テンポの速い時代はそれくらいがちょうどいいのだ。 「前のめり」でがむしゃらに頑張っても、気がつくと誰かの思惑に 都合よく踊らされている可能性がある。そして知らずのうちに心身 ともに疲弊してしまう。 今のような閉塞感あふれる世の中では、むしろ中世的なものの考え 方が、突破口を開く。神のような宗教的権威が中心だった中世の論 理は、近代以降の合理性重視の時代の論理とはかけ離れている。 現代の価値観にどっぷりつかっていると、それだけが唯一と錯覚し がちだ。だが、視野を広げ、時間と空間を広げれば、考え方や価値 観は1つでないことに気づく。それが心を柔らかく、強くするのだ。

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