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[高野孟のTHE JOURNAL:Vol.434]4月一杯に新型肺炎を完全終息させないと五輪開催が危うくなる!

高野孟のTHE JOURNAL
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 高野孟のTHE JOURNAL Vol.434 2020.2.24 ※毎週月曜日発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 《目次》 【1】《INSIDER No.1035》 4月一杯に新型肺炎を完全終息させないと五輪開催が危うくなる! ――なのに何の危機感もない安倍政権の緩みっ放し 【2】《CONFAB No.434》    閑中忙話(2月16日~22日) 【3】《FLASH No.339》    軍が守るのは国民ではないと教えるドキュメンタリー映画    ――日刊ゲンダイ2月20日付「永田町の裏を読む」から転載 【4】《SHASIN No.385》付属写真館 ■■INSIDER No.1035 2020/02/24 ■■■■■■■■■■■■■■■■ 4月一杯に新型肺炎を完全終息させないと五輪開催が危うくなる! ――なのに何の危機感もない安倍政権の緩みっ放し ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  東京五輪の開会式は7月24日で、その2カ月前の5月半ば、大型連休 明けになってもまだ新型肺炎に収まりがつかず燻っているようであれ ば、五輪そのものの開催が危うくなる。  第1に、その時期には早くも、各国のチームが続々と来日し、ホスト タウンとなる全国約480 の市町区に散ってトレーニング・キャンプに入 る。その前に安心して来日できる環境を整えておかなければ、急遽キャ ンプ地を自国かアジア近隣で新型肺炎から安全なところに振り替えると か、それも難しいので五輪参加そのものを諦めるチームが出てくると か、大混乱が始まる。  第2に、事前のキャンプ入りを予定していないチームや選手も、7月 までに本当に収まっているのかどうか、正確な情報を得た上で参加する かどうかの判断を迫られる。有力なチーム・選手であるほど、そしてプ ロ選手であればなおさら、選手生命を絶たれることになりかねない疫病 には敏感になるだろう。  第3に、発生源となった中国がその時点でどういう状況となっている か分からないが、自国と日本とそれぞれの終息度を見極めた上で、場合 によっては中国選手団全体が参加を見合わせることをも含めて、この時 期には最終判断を下さなければならないだろう。少なくとも、中国は大 丈夫だが日本はまだ危ないので中国選手団が来られないというみっとも ない事態は、絶対に避けなければならない。  第4に、五輪目当ての外国人観光客も、2カ月前にはツァー予約をキ ャンセルするかどうかの決断を迫られる。  2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の場合は、終息までに8カ月 を要した。今回の新型肺炎も同じだとすると、昨年12月12日に武漢市で 最初の症例が出ているので、今年8月9日の閉会式あたりまでが8カ月 間に入ってしまう。しかも、発症しないままの人からも感染してしまう という今回の特殊性を考えると、いったん収まったかに見えてもまたど こか思いもかけない所からポコッと出てくるといった格好で、一層長引 くこともあり得るだろう。少なくとも、8カ月より短くて済みそうだと 見る根拠は何もない。  だからこれは、8カ月を少し繰り上げて、7月の開会式までに収まっ ていれば何とかなるだろうというものではない。8カ月かそれ以上と予 測される感染蔓延期間を半分以下に折り畳んで、4月一杯に世界に向か って完全終息宣言を発せられないようであれば、五輪は数千万人が濃厚 接触する究極のマス・ギャザリングの場と見做されて、5月から“崩壊 過程”に入ることになるだろう。

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