【1. 今日の本題:ジョン】
こんにちは、ジョンです。
「そう。あなたは何かしらの問題を心に抱えている。それは自分で考えているより、もっと根の深いものかもしれない。でもあなたがその気になりさえすれば、きっと解決できる問題だと思うの。」
木元沙羅は多崎つくるに対してそう言います。彼(多崎つくる)はずっと自分を苦しめてきた過去と対峙する決意を固め、東京から名古屋へ、そしてヘルシンキへと巡礼の旅に出ます。
これは『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(村上春樹著、文藝春秋、2013年)に出てくる一場面です。彼は名古屋での高校時代にボランティア活動で出会った男女4人と仲良くなり奇跡的な強い結束で結ばれますが、大学へ進学した後しばらくして唐突にその仲間たちから外されてしまいます。
彼は死の淵を彷徨うような日々を送りましたが、半年後そのギリギリの状態から抜け出し大学生活に戻っていきます。その後無事大学も卒業し、念願だった仕事にも就き、何人かの女性とも付き合いましたが、彼の中では依然として過去の傷がうずいていました。
沙羅はつくるの心の闇を見て取り冒頭の言葉を投げかけます。彼は16年もの長い間苦しめられてきた過去の真相を自ら確かめるべく、ずっと避け続けてきた高校時代の友人1人1人を訪ねて直接対話していきます。
果たして彼が知った真実とはどんなものだったのでしょうか?過去と向き合うことは私たちの断酒にも必要な事かもしれませんね。
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