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新型肺炎感染で急激に広がる在宅勤務~しかしBOYDの安易な利用は新型肺炎の副次的企業リスクを拡大させる可能性も

今市太郎の戦略的FX投資
****************************************  今市太郎の戦略的FX投資  ファンダメンタルズでテーマを見極め  テクニカルで実証してエントリーする     2020年2月28日号  ツイートアカウント @imaichitaro  よろしかったらフォローもお願いします。 ***************************************** 新型肺炎感染で急激に広がる在宅勤務~しかしBOYDの安易な利用は新型肺炎の副次的企業リスクを拡大させる可能性も 新型コロナウィルスの感染拡大に備えで各企業の在宅勤務の 動きが今週さらに加速することとなりました。 電通が社員の感染発覚で東京汐留本社の人員5000名の 在宅勤務を決定しましたし、同じ汐留の隣接したビルに 大きなオフィスを持つ資生堂も8000名の在宅勤務を決定 し、いよいよ感染がそこまで迫ってきているのかという ことから両社の株は売られる形になっています。 GMOインターネットはそれに先立つ1月27日からすべての 従業員の安全確保のために在宅勤務を始めていますが、 電通や資生堂のようにこれだけの規模の従業員が在宅 勤務になるのはまさに異例の事態で、即断即決とした ことは高く評価したいものがありますが、果たしてこれが うまく機能するように事前にしっかり準備がされていたの かについてはかなり疑問の残る部分が存在しています。 ■ほとんどはBYODで対応しているのか? 通常在宅勤務を制度として導入する場合には、安倍政権の 桜の会のデータの問題でかなり話題になったシンクライアント PCなどを会社が支給することでクラウド上における従業員の 利用管理を行うことが基本となるはずですが、今回の大量人員 の在宅勤務の場合、ほとんどがBYOD・Bring your own device と呼ばれる従業員が自前で保有するPCやタブレット、スマホ などを利用し、外部のクラウドサービスを導入することでそこ からアクセスして業務を行うことが前提になっているのではないか と思われます。 さすがに短時間で5000台以上の会社からの端末を支給する というのは相当な優良企業であってもなかなか難しいのが実情 であると思われます。電通も資生堂もこのあたりは詳らかには していませんが、想像が間違っていなければBYOD利用から 始めているのではないかと推測されます。 このBYODは米国ではかなり実績もあり、どのように運用すれば ベストプラクティスになるのかについての研究も進んでいるが 実情ですが、それでも米国では23.3%程度の普及、イギリスが 27.8%、ドイツは27.9&で国によっては普及度合いが異なって います。ちなみに総務省の調査では日本は2018年段階で10.5% とまだその普及率はかなり低く、メリットとともにかなりの デメリットが混在していることが十分に理解されていない可能性 も考えられる状況です。 ■端末導入コスト削減は大きなメリットだが情報管理のリスクは各段に増大 もちろんこのBYODには明確なメリットが存在します。企業にとっては あえて業務用のデバイスを供給しなくてもビジネスができるわけです からコスト面では大きな魅力があります。また利用する社員にとってh 使いなれば自分のデバイスをビジネス時に活用できるわけでえすから 利用満足度は高くなりますし、今回のようないきなりの在宅勤務といった 事態でもスムーズに移行することができるのは確実なメリットと いえます。 ただし企業が提供する専用端末で企業内のセキュリティレベルが高い ところで利用するのとは異なり、インターネットの接続ひとつとって みても公衆Wifiからアクセスしてしまうということもあるでしょうし、 国内では非常に普及しているLINEをビジネスに使って重要書類が 添付、送付などした場合に本当にセキュリティが守られるのかどうか 相当怪しい部分も発生することになります。 クライアントの秘匿が記載された重要書類などがネットを通じて流出 してしまいますと、外資系企業なら億単位の損害賠償の請求を受ける わけですから、BYODの利用に当たっては相当な注意が必要ですし 安易な導入は必ず事故を起こすことになります。 ここからも多くの企業が在宅勤務にあたってBYODを利用する ことになるのでしょうが、新型肺炎をきっかけにしてとんでもない 損失を企業に与えることがないように相当気を遣う必要がありそうです。 ■システム面でしっかりしたソリューション導入が必須 デバイスは個々人のものであっても業務利用する際には、モバイル端末 ならばMDMモバイル端末管理のソフトを導入して企業側がしっかり 管理できる体制をとることが必要ですし、PCであればデスクトップ の仮想化、いわゆるVDIとクラウドを連携させたデータ管理も 必須のものとなります。こうしたサービスはクラウド上で簡単に 利用開始できますから、直近の導入企業でもなんらかのサービスを 導入しているものと思われますが、付け焼刃の導入が果たして高い レベルでの運用を実現できるのかどうかが今後の大きな問題になり そうです。新型肺炎の影にかくれて殆ど話題にならないBYOD利用 ですが、実は想像以上にリスクが高く、もちろん失敗すれば リスク管理上の責任を企業が問われ、株価にも大きく影響する 要因であることをすべての利用者がしっかり認識すべき状況でしょう。 まさか新型肺炎でこんな時代がいきなり到来するとはだれも思わかった 材料です。くれぐれも失敗のないようにしていただきたいものです。

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