世界貿易は異例の2年連続マイナス懸念
「2019年はマイナス0.4%」
米中通商摩擦を筆頭に、米国トランプ政権の「米国第一」の貿易戦略が世界貿易を阻害していることは広く認識されていました。このため、昨年の世界貿易は大きく減速するとの懸念の声が早くから出ていました。そして現実に昨年の世界貿易がマイナスにまで落ち込みました。大方の予想をはるかに超える落ち込みで、それだけ世界経済も落ち込んだ可能性を示唆しています。
オランダ経済分析局のデータによると、実質世界輸入は2017年の5.2%増、2018年の3.8%増から一転、昨年はマイナス0.4%に落ち込みました。一般には米中摩擦の中で中国経済が疲弊し、中国が主因の貿易縮小と見られていました。しかし、実際はそうではありません。確かに中国の輸入が急ブレーキとなったのは事実です。この3年間の伸びは9.1%増、6.9%増、マイナス0.2%となっています。
しかし、昨年の世界の落ち込みはこれでは説明できません。つまり、昨年の世界輸入の落ち込みは、中国以上に落ち込んだところがあったことを示唆しています。現に、この3年間の輸入の動きを地域別に見ると、米国が4.0%増、5.3%増、0.4%減。中国以外の新興アジアが9.6%増、7.0%増、2.0%減となっています。
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