転職、フリーランス、転居の増加により、ネットワーク作りが当た
り前になった。それ以前に、職業人生を続ける限り、幅広い分野の
人達で形成され、変化と拡大を続けるネットワークは不可欠だ。
現代における「ネットワークづくり」を定義すると「自分に役立つ
情報を得る目的で、数多くの人に会って話をしようとすること」だ。
それほど悪いものでもなさそうだ。
それでもネットワークづくりを嫌がる人がいる。特に、内向型の人
の場合、知らない人とつながりをもたなければならないことに対す
る嫌悪や恐怖は、普通の人と比べて何倍も大きい。
だが、内向型の人間ほど、すぐれたネットワーカーになれる特性が
ある。ネッワークづくりに不可欠なのは、優れた観察者であること
だからだ。この点、内向型の人間のほうが有利なのだ。
ソーシャルメディアやデジタル・コミュニケーションを使えば、自
然な感じで人々と連絡をとれる。社内外の人々とつながることは容
易だし、誰かれかまわず話しかけねばならないわけではない。
★
2~30分ほどで人との出会いを実りあるものにするにはコツがあ
る。まず、共通点を見つけることだ。どんな共通点でも、どんなに
些細なものでもいい。会話を始めるきっかけになる。
次に、ストーリーを共有することだ。互いに自分のことを話すこと
で絆が生まれるはずだ。最低限の話に留まらず、パーソナルな情報
を織り交ぜる。いかに自分をさらけ出すかが結びつきの尺度になる。
さらに、今後につながることを見つけることだ。会話の中で、同じ
講座や会合に出席することがわかれば、仲間を見つけたことになる。
この会話が近い将来、より正式な交渉や協力につながればなおいい。
★
長期的に実りあるネットワークを確立するコツがある。まず、自分
から心を開くことだ。そのためには、人との出会いや交流は、間違
いなく価値があることを知っておくことだ。
次のステップを考えたり、優先順位をつけたり、仕事や街や健康や
学校に関して知識が必要になることは、誰にでもあるはずだ。その
時、情報源が一つでは心配だ。他の人に聞かなければならない。
ただし、つながりの理由は「なんとなく」でいい。まずは、ひとと
きのコーヒーデートだ。会う価値や目的は明確でなくてもいい。気
軽で無目的な会話がどう転ぶかは誰にもわからないのだ。
さらに、自分が頼れる人になることだ。日ごろから、やり方はわか
らなくても、とにかく人に手を貸すをモットーにすることだ。人か
ら受けた親切を別の人に繋ぐペイフォワードの精神だ。
★
長期戦を覚悟することだ。有意義なつながりを築くには、長い時間
の積み重ねが必要だ。長期戦には忍耐がつきものだ。一度会ったく
らいですぐに成果が得られることはない。
文脈は限定すべきでない。自分のニーズを満たせるのは誰か、限ら
れた狭い視野で考えるべきではない。そういう人は、自分の立場を
考えて“こうあらねばならない”と考えがちだ。
そして、自分は重要な視点や経歴、広範な知識、有効なつてを持っ
ているか、それらの立場に近い人でなければダメだと思い込んでし
まいがちだ。
なお、紹介は的確に行うべきだ。自分が仕事を紹介して欲しいのと
同じように、自分も相手にとって価値のある紹介をするべきだ。そ
れが、有能なコネクターとして名を上げる方法だ。
細かい事情をすべて汲み取って、判断力をフルに活かして、正しい
選択をするべきだ。「依頼に応えさえすればいい」と、思いつきで
的外れな提案をするべきではない。
これらのガイドラインは、自分が助けを必要とする時も、誰かを助
ける時にも適用するべきだ。なぜなら、誰もが時によって、その両
方の立場に立つ可能性があるからだ。
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