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今市太郎の戦略的FX投資
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2020年3月9日号
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いよいよ始まった社債市場からの資金流出~CLOが売り込まれれば米国起因、本邦金融機関発の大暴落相場示現の可能性も
米株が大きく下げ、米債が思い切り安全資産として買われるという
異常事態が延々と進行中ですが、このメルマガでは昨年1月ごろ
から危惧してきた社債市場の様子がいよいよおかしなものに
なろうとしています。ブルームバーグの報道では、このたった
1週間で投資家が米国の社債やローン債権(CLO等)に投資
するファンドからすでに日本円にして1兆3000億円もの資金を
引き出していることが判っています。この撤退額はこの10年
でも最高の額といいますから、さらに社債と関連する相場から
資金が引き上げられる可能性が高く、いきなり信用収縮が
おきないか非常に心配な状況になってきています。
■一番の問題はCLO市場
この社債市場の中でもっとも気になるのはレバレッジドローンを
細かく切り分けて再集積することで格付けを高くして販売する
ことになっているローン担保証券・通称CLOで足もとでは
6600億ドルもの市場を形成するようになっているのです。
しかしこのCLO証券は変動金利タイプで市場の金利が下落する
と一緒に利率が下落するというものであることから低金利時代
には利益が少なくリスクだけ高い商品になってしまうことから
逆に足元の状況では売られやすくなってしまうのです。
さらに心配なのは格付けの高いCLO商品は国内の金融機関が
中心になって大量に保有するという、いわゆる池の中の
クジラ状態を呈していますからもしこうした金融機関が
嫌気して自ら売りに回った途端に流動性が枯渇しパニック売り
を示現する可能性が極めてたかくなるというリスクを抱えて
いる状況です。
こうなると売られるのは米国の債券市場でありながら、大きな
損失がでて崩れだすのは本邦金融機関ということで、まさかの
国内市場から相場暴落が始まる可能性すらでてきているという
わけで、もはや見て見ぬふりをするわけにはいかなくなって
います。
■信用収縮が起きればハイイールド債を含めて社債市場は壊滅的に
CLO市場から社債市場全体に売りが飛び火すれば信用収縮は
間違いなく、多くの企業が社債の償還後借り換えできなくなる
という事態に追い込まれますからウルトラ低金利時代なのに
資金調達が覚束ないというきわめて特殊な状況が時限する
可能性が高まります。
国内市場は新型ウイルスの感染の広がりと収束時期を注目
しているようですがWHOは夏になれば収束するといったほど
単純なものではないと言い出していますし、ここから経済的な
ダメージが大きくなれば金融市場もさらに傷んでいくことが
容易に想像できるところです。
そんななかで社債市場が崩壊するようなことになると本当に
パンデミックがきっかけで10年以上続けてきた中央銀行
主導のバブル相場が破裂する危険性が高まります。
長年の人工値付け相場が破裂すればNYダウはトランプ政権が
スタートした時点の株価に逆戻りすることもありそうですし、
なにより日銀が下駄を履かせた日経平均は1万7000円
以下に転げ落ちることもありそうで、かなり先行きが心配な
状況です。
安倍首相は緊急事態宣言を出すことで国内を無理やり統制
しようとしているようですが、金融市場のほうはそんなこと
はお構いなしでとんでもない崩落に見舞われるリスクが
高まりつつあります。ここからは米社債市場を常にチェック
していくことが重要な時間帯です。相場の瓦解は想像以上に
早くやってくるのかも知れません。
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