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高野孟のTHE JOURNAL Vol.436 2020.3.9 ※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1037》
後手後手をカバーしようと前につんのめる安倍の醜態
――新型コロナウイルス対応で台湾との余りの落差が評判に
【2】《CONFAB No.436》
閑中忙話(3月1日~7日)
【3】《FLASH No.341》
大勝負の「全国一斉休校」宣言が広げた政権のヒビ割れ
――日刊ゲンダイ3月5日付「永田町の裏を読む」から転載
【4】《FLASH No.342》
新型肺炎対策に改憲は不要
――9条連ニュース2月号「高野孟の政治展望台」から転載
【5】《SHASIN No.387》付属写真館
■■INSIDER No.1037 2020/03/09 ■■■■■■■■■■■■■■■■
後手後手をカバーしようと前につんのめる安倍の醜態
――新型コロナウイルス対応で台湾との余りの落差が評判に
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「後手後手の 後で叫ぶ 先手先手」の一句が7日付東京新聞の「時事
川柳」欄にあったが、図星である。
昨年12月12日に中国・武漢で原因不明の肺炎患者が見つかってから2
カ月以上もの間、危機感どころかそれ以前の関心さえろくに持たずにノ
ホホンと過ごしてきた安倍晋三首相が、尻に火が着いたように慌て始め
たのが2月24日からの週で、27日に発作的とも言えるような唐突さで全
国一斉休校を宣言。それが余りに不評であったため急いで取り繕おうと
29日に記者会見を開いて、これがまた準備不足でむしろ傷を広げる結果
となった。
なぜこの時期に尻に火が着いたのかと言えば、本誌のNo.1035 (2月
24日号)はじめあちこちで「五輪は7月に始まると思ったら大間違い。
聖火リレーは3月下旬、事前キャンプの選手団は5月上旬から来日し始
めるので、遅くとも4月一杯に終息宣言を出さないと」いう指摘が広が
り始めて、さすがの安倍とその周辺のボンクラどもも事の重大さに気付
いたからに違いない。
これは単に、疾病対応の技術的な巧拙とか、また政治指導者が「やっ
てるフリ」を演じる振り付けの出来不出来とかの戦術的レベルの問題で
はない。
米外交問題評議会シニアフェロー(グローバルヘルス担当)のヤンゾ
ン・ファン教授が言うように「公衆衛生は信頼を基盤にしている。政府
への信頼は社会資本であり、これが効果的な公衆衛生上の対策をとる上
で極めて重要になる」(フォリン・アフェアズ・レポート3月号)。
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