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【Vol.316】冷泉彰彦のプリンストン通信

冷泉彰彦のプリンストン通信
▼「トランプの「コロナ軽視」、その背景」  かなりヒドい状況です。新型コロナウィルスの問題に関するトランプの発 言ですが、非常に「変則」です。とにかく、問題がまだ中国湖北省が中心で 推移していた頃から、 「コロナウィルス問題を大騒ぎしているのは民主党の陰謀だ」 「世界平均での致死率が3.4%というが、そんなに高いはずはなくデッチ 上げだ」 「この問題は、続くかもしれないが、もしかすると瞬時に消えてなくなる性 質のものかもしれず、静観するのがいい」  という言い方をずっとしており、アメリカに飛び火して問題が深刻になっ た以降も、 「俺様はウィルスのことなら何でも知っている」 「検査は完璧だ。誰でも受けていい」  などと全く問題を深刻にとらえる姿勢がありません。この問題ですが、色 々な背景がありそうです。 (1)支持基盤の「精神的なコア」が中西部の人口密度の薄い地方であり、 また国際情勢やとりわけアジアへの関心の薄い地域なので、この種の言い方 が受ける。 (2)健康については自信がある。問題は人ごと。だから全員加入の健保な ど潰してやる。といった共和党カルチャーに最大限乗っかってのウケ狙い。 (3)CDC(疾病センター)などで専門家が威張るのは大嫌い。 (4)イラズラ小僧的な自己流を貫けば何とかなるというスタイル。 (5)豪華クルーズやエリート大学が右往左往しているのはザマアミロ。  というような感じがあるのだと思います。だからこそ、対策の指揮官をペ ンス副大統領に丸投げしているのでしょう。  ところで、そのトランプ、ペンスの出席したCPACという「保守イデオ ロギーの全国大会」に参加していた1名の人物が検査でコロナ陽性となった そうで、何と有力政治家のテッド・クルーズ上院議員(共和党、テキサス選 出)が、その人物と握手をしていたのだそうです。  クルーズ議員は、14日間の自主隔離に入っていますが、共和党も余りこ の問題を「ナメて」かかると大変なことになるように思います。一方の民主 党も高齢候補2名の一騎打ちということで、心配な状況ということでは変わ りませんが。

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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