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今市太郎の戦略的FX投資
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2020年3月13日号
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とうとう日銀方式の直接株買いを検討しはじめたFRB~本当にそんなことして大丈夫なのか?
足もとの米株相場はWHOがまさかのパンデミックを
事務局長が明言したことからまたしても大きく下落
することとなり、現地時間の10日夜にトランプ大統領
が欧州からの米国への入国を30日間ストップすると
と宣言したことから相場はさらに弱含む状況になって
きています。
ただ、米株は相当下押しした状況になっていることから
2018年末に引き続き、ムニューシン財務長官がPPT
プランジプロテクションチームを再度招集することが
市場にも伝わりはじめており、もう一度株上げにトランプ
政権が奔走することが予想されはじめています。
このPPTのチームにはトランプの嫌いなFRBのパウエル
議長も含まれていますし米国の大手金融機関のトップが
ほとんど参加する状況ですからまた株価が息を吹き返す
可能性もありそうです。
そんな中でFRBは株式市場に対して新たな施策を施す
ことを検討中のようで、その驚くべき中身に注目が集まり
はじめています。
12日のNYタイムでの株式市場の暴落を受けてFRBは
日本円にして160兆円弱の資金供給を市場に対して行い必死に
相場の流動性を確保しようとしていますが、一時的に
跳ね上がった株価はまたもとに戻ろうとしており、なかなか
株価をもとに戻すのには手間取り始めていることが窺え
ます。リーマンショックの時は金融市場の中の危機でした
から利下げや緩和措置がそれなりにワークしたわけですが
今回の相場暴落はウイルス起因の実態経済の悪化ですから
従来の手法がうまく機能するかどうかはまったくわからない
ところに差し掛かっています。
■FRBまさかの米株直接買い実施か
そんな中でイエレン前FRB議長なども提言しているようですが、
日本の日銀のやり方を模倣してFRBが直接米株を買い付ける
ということを本当に実施することを検討中しはじめています。
残念ながら現状の法制下では株買いはできませんが、法律を
改正してでも実施の意向というのですから、すさまじい意欲
であることがわかります。
しかし世界的にみても中央銀行が株を直接買うというのは
日銀しか事例がないわけですから、FRBがそのスキームに
のっかって株価を支えるというのが本当に正しい方法なのか
どうかには相当な疑問が残ります。
また伝統的な政策を支持するFRBのメンバーがこうした
ある意味で暴挙となるようなやり口を本当にエンドースする
ことになるのかどうかも気になるところです。米国に先んじて
ETFにより株買いをした日銀ですが、すでに過去7年にわたって
積み上げてきた下駄ばきの部分は先物ベースではこのNYタイムに
すっかり吐き出して崩れてしまっていますから、中央銀行による
人工値付け相場がいかにはかない政策であるかを市場に見せつける
結果となっています。
■中央銀行が人工値付け相場を強硬しようとすればするほど市場は壊れる
とにかく株価を崩さないことはFRBにとってはシングル
マンデートとなっているのでしょうが、そもそもこの10年
以上、過剰にカネを市場にばらまいて、株式の実態よりはるかに
高い価格を形成させてきた中央銀行バブルの手法が今回の
新型ウイルスの感染問題をきっかけにして崩れ去ろうとして
いるわけですから、断末魔にまた相場の操作をしてしのごう
とすることが本当に意味があるのか、また新型コロナウイルス
自体の感染拡大を阻止するためにはなんの意味もないという
点については大きな問題を感じる状況です。
■ハイボラティリティの示現は市場の流動性が枯渇している証拠
足もとの相場では株も為替も猛烈なボラティリティが依然と
して発生していますが、これはひとえに相場の流動性が
失われているからにほかならず、さらに流動性が失われれば
もっと大きな下落を自律的に引き起こす可能性もありそう
でここからの相場には万全の注意が必要になってきている
ことを強く感じます。FRBは相当な力技で相場に流動性を
供給しようとしていますが、必ずしも良好な結果には
なっていないことが窺われます。
実態経済は新型ウイルスの感染の影響をもろに受ける形で
当初の想定をはるかに超えるレベルにまで落ち込もうとして
います。この状況が継続するかぎりとんでもない世界同時
リセッションへと発展する可能性は極めて高く、もはや
予断を許さない時間帯に入ってきているといえそうです。
一週間暴落相場に向き合っていますとさすがに週末は疲れが
吹き出す感じですが、この状況はまだまだ続きそうで、
なにか精神的にリフレッシュすることを考える必要がありそう
です。
ポジションを持たれている方は気が気ではないでしょうが、
気分転換を真剣にお考えになることをお勧めしたいところです。
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