2020年 第10号
【長尾和宏の「痛くない死に方」】
こんばんは。長尾和宏です。桜がほころび始め、尼崎も春の足音がようやき聞こえて、
一番いい季節を迎えるときだというのに、今年は何もかもが違って見えます。
東京オリンピックの延期が、現実味を帯びてきました。
トランプ大統領が今日初めて、「1年延期した方がいいかもしれない」と見解を示した
からです。就任から今まで、トランプの言うことには「ノー」と反論したことがない
我が国の現首相は、きっと今、頭を抱えていることでしょう。
私が先日上梓した『小説・安楽死特区』は(ずっとこのメルマガを読んでくださった
読者の方はすでにご存じかと思いますが)、東京オリンピック後に、日本が不景気にな
ったことから話が展開する、近未来小説です。おかげさまで、発売直後から、映画やド
ラマのオファーをいくつか、頂きました。すぐにでも企画が通りそうな映画会社からの
お話があったのですが、しかし、現実が小説を超えてしまう事態が起きようとしている
ため、そうした映像化のお話が、止まっています。
もう、そんなことを言っている場合ではありませんね。だって、オリンピックができな
ければ、それこそ、映画だ、芝居だ、とエンターテインメントを楽しむ未来が待ってい
るとは……ちょっと想像ができなくなってしまいました。
エンターテインメントとは、平和でお金のある世の中に担保されているものなので。
この小説の舞台となった2025年が、「2020年はこんなのんきな小説が読まれて
いたのか」という時代になったらどうしようとモヤモヤした気持ちを拭いきれません。
今週も、新型コロナウィルス関連の質問をたくさんメールでいただいたので、いくつか
まとめて、「死のQ&A」でお答えすることにしました。どうか参考にしてください。
それにしても、今回のオリンピック・パラリンピックは「復興五輪」の位置付けであっ
たはずなのに、今年の3・11の報道を見る限り、もはや、新型コロナウィルス騒ぎで、
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