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週刊 Life is Beautiful 2020年3月17日号

週刊 Life is beautiful
今週のざっくばらん 感染モデルの詳しい解説 先週号の「感染率と医療崩壊」は、まぐまぐニュースに公開されたこともあり(「新型コロナの感染拡大を遅らせても感染者総数は同じ」の大ウソ)、数多くのコメントをいただきました。 記事中の式の間違いに関しては、数人の方から指摘されました。β' = β * M / Nn(t + 1) =n(t) * β' は間違いで、β' = β * (1 - M / N)n(t + 1) =n(t) * β' が正しい式です(グラフの生成の際には正しい方を使っています)。 N が全人口、Mが免疫獲得者数(既に感染して免疫を獲得した人の数)なので、M/N は免疫を獲得した人の割合、(1-M/N) は免疫を確保していない人の割合です。 感染率 βは、一人の感染者が(周りが全員、免疫を持っていない場合)平均して何人に感染させるか、を表しているので、実効感染率 β'は、β * (1 - M / N)になるのです。 次に、総感染者数の問題です。感染率 βを小さくすると、ピークの感染者数が減ることは直感的に分かりますが、総感染者数が減る理由は少し分かりにくかったようなので解説します。 このモデルの場合、実効感染率 β'が1を切ると感染者数が減りはじめ、収束に向かいます。感染率 β が 1.8 の場合は非感染者率が 55.5% を切ってから(4550万人が免疫を獲得してから)ようやく収束が始まるのに対し、β が 1.3 の場合は非感染者率が 76.9% を切ったところで(3410万人が免疫を獲得したところで)収束が始まるのです。 つまり、感染率 β が小さい方が、少ない人数が免疫を確保したところで収束が始まるので、トータルの感染者数も少なくて済むのです。 感染率 β として、私が 1.8 と 1.3 を使った根拠を知りたがる人もいましたが、これの記事の目的は、感染率 β を変化させた時に、ピークや総感染者数にどんな変化が起こるのかを目に見える形で示したかったため、選んだ値です。何も対処をしなかった場合のインフルエンザの感染率は2〜3と言われており、かつ、1以下では感染拡大はないので、その間で適宜選んだ数字です。

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