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相場暴落第二ラウンドは社債の格下げラッシュが引き金を引く可能性

今市太郎の戦略的FX投資
****************************************  今市太郎の戦略的FX投資  ファンダメンタルズでテーマを見極め  テクニカルで実証してエントリーする     2020年3月23日号  ツイートアカウント @imaichitaro  よろしかったらフォローもお願いします。 ***************************************** 相場暴落第二ラウンドは社債の格下げラッシュが引き金を引く可能性 猛烈な株式市場の下落と追証のための換金売り、強烈なドル需要の 示現など、足元の相場はAI,アルゴリズムがその下落に拍車をかける ことになりこれまでになかったようなスピードでの相場暴落が示現し はじめていますが、そんななかでもこれまで高金利を背景に人気を 博してきたレバレッジドローン市場が低水準に落ち込みはじめており、 市場での一斉の格下げが起因してデフォルトの問題や資金調達のひっ迫 が顕在化する恐れが一段と高まりはじめているようです。 これまでの中央銀行バブル相場ではイールドハンティングから少々 危ないレバレッジドローンであっても積極的に資金を投入する投資家が 見られてきたわけですが足もとの市場では貸し手が一気に相場から 撤退をはじめており、レバレッジドローンをばらして金融商品に再組成 してきた不動産ローン担保証券の親戚筋のいかがわしい商品である CLO市場においても格付けの下落などが一気に進みますと相場は大荒れ になる可能性が非常に危惧されるところです。 特にCLOに関しては変動金利制ですからそもそもの市場金利の下落は 決してプラスには働かない商品で、そこに新型コロナの追い打ちが かかっているわけですからなんらプラスに働く者はありません。 米国ではほぼ6600億ドルにまで成長したこの市場ですが、国内の 金融機関が高い格付け商品だけを購入しているとはいえ、一斉に 社債やレバレッジドローンの格下げが進めばまやかしのCLO格付け など吹っ飛ぶ可能性は十分にありそうです。 国内の金融機関や投資家は表立って話をしていないようですが、 この社債、CLO市場がどうなるのかを固唾をのんで見守っている のが実情のようで、実際に社債の格下げ祭りが展開することになれば 相場暴落の第二ラウンドが展開するリスクはかなり高まりそうです。 ■ジェフリーガンドラックもジャンク債の一部でのデフォルトの可能性を予測 今回の相場の大幅下落を受けて新債券の帝王であるジェフリー ガンドラックは今後1年間におけるリセッションの確率を90%と 予測していますが、同氏は格付け会社による債券格差がが一斉に 行われることにより、ハイイールド債のかなりの部分がデフォルトに 陥る可能性も指摘しはじめています。とくにシェールガスの採掘 を行っている米国の業者は弱小なものが多く、エネルギー系の ジャンク債からデフォルトが発生する可能性はかなり高くなって おり、こちらも隣接する社債、CLO市場にかなりネガティブな 影響を与えかねない状況です。 ■CLO市場がおかしくなれば国内で金融危機が起きる可能性 すでに3月9日にも当メルマガでCLO情報をお送りしており ますが、今回の新型コロナ関連での相場の暴落に伴って 米国の社債、CLO市場から3月最初の一週間で日本円にして 1兆3000億円もの資金が引き出されており、恐らくその後も こうした資金の引き上げ状況が継続していることが容易に 予測されるところです。東林中金、三菱UFJ,ゆうちょ、 みずほなどの各金融機関はやめればいいのにこのCLOを大量 に保有していますから、格付けが高いので安心などと言って いても二束三文の状況に陥った場合、当然経営にも大きな影響が でかねない状況で、ここから一体どうなっていくのかについて は非常に注目すべき時間帯に入り込もうとしています。 98年山一証券破たん時にはオフィシャルには負債総額3.5兆円 と伝えられたものですが、時代が違うとはいえ農林中金は 6.8兆円強のCLOを依然として抱えているとされていますから これが完全に紙屑になった場合に果たして破綻せずに生き残れる のかは大きな注目点になりそうです。 この問題が顕在化した場合、世界的な中央銀行バブルの崩壊 と並行する形で本邦起因の金融機関の危機が発生する危険性 がかなり高まります。 もちろん闇雲にリスクだけを煽っても意味はありませんが、 日を追うごとにまずい状況になってきていることだけは 間違いないようで、株式、為替、債券市場とともに社債、 ジャンク債、レバレッジドローン市場の劇的な変化に注目する 必要がありそうです。 株と金、債券市場は一旦ドルキャッシュ目当ての投げ売りが 一息ついたような印象がありますが、相対取引の社債や CLOといった領域で問題が起きるのはまだこれからである 可能性は高く、為替でドル買い需要がまったく収まっていない 状況もそうしたここからの二次的混乱を示唆しているもの とも言えそうで、週明け市場でも相当注意が必要です。 端的に申し上げて株価でセリングクライマックスを確認しても 足もとの資本市場のリスクを正確に判断できない可能性が あることだけはしっかり認識しなくてはなりません。

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