■自己紹介は話す前からはじまっている
「自己紹介が苦手」という人がいる。彼らに悩みを聞くと「何を伝
えればいいのかわからない」「伝えられる強みがない」「人前でう
まく話せない」と言う。
では、それらが解決できれば、自己紹介で聞き手から反応をもらえ
るのかというと、そうではない。話すことがまとまっていても、そ
れをスラスラと話せたとしても同じだ。
大事なことは、聞き手がこちらに聞く耳を持ってくれていることだ。
それができていなければ、いくら上手に話せても聞いてもらえない。
つまり、その自己紹介は相手に届かないのだ。
人は、無意識のうちに「自己紹介を聞きたい人、聞かなくていい人」
を分別している。いくら魅力的な話が上手にできても、聞き手の関
心がこちらに向いていなければ、聞いてもらえないのだ。
★
「自己紹介を聞きたい」と思わせることができる人になるには、ま
ず自分が「聞きたい」と思う人を考えることだ。たとえば、実績や
知名度があり、主催者が推薦しているような人だ。
次に、外見が優れている人だ。ここには天性の見た目から、ファッ
ション、姿勢・態度まで含まれる。話を聞いている時や食事をして
いる時でも、笑顔で姿勢がいい人は自然と注目を集めるものだ。
さらに、自分の話を聞いてくれそうな人だ。人は無意識に「この人
は、自分の話を聞いてくれそうだな」と思う人に注目する。「人の
自己紹介は聞かないが、自分のは聞いて欲しい」人がほとんどだ。
だから、他の人の自己紹介を真剣に聞くことだ。たとえ、うまく話
すことができなくても、相手の聞いていない人たちに比べれば、圧
倒的な差をつけることができるはずだ。
★
自己紹介というと、話し方ばかりに焦点が当てられがちだ。だが、
発信者の先には受信者が必ずいるのだ。つまり、聞いてくれる人が
いるからこそ、自己紹介は成り立つのだ。
自己紹介の場面で「自分が何を話していいかわからない」と思うな
ら「他の人の気持ちをわかろう」「相手を理解しよう」など、相手
に気持ちを向けることだ。
「人のことを理解しよう」とする人は少ないものだ。だから、それ
だけで希少価値の高い存在になれる。そうなれば、人前で話すのが、
多少たどたどしくても「話を聞きたい」という人が集まるはずだ。
★
人の自己紹介を聞く時に意識すべきは、その人の背景を想像しなが
ら聞くことだ。背景にあるものを想像しながら聞くだけで、その人
の話に意識を集中することができるはずだ。
人は「問い」を立てると解決したくなる。想像すれば、その想像が
正しいかどうかが気になるはずだ。気になることを解決するには、
自己紹介の後、相手に直接話を聞きに行くことだ。
後で話を聞く時は、相手が話していたことを盛り込むことだ。でき
れば、相手の自己紹介の内容をメモしておく。たっぷり話ができれ
ば、そのお返しとして、相手もこちらに質問してくれるはずだ。
そうなったら、その質問に答えていけばいい。つまり、相手の話を
聞くことで、相手が興味を持ってこちらの自己紹介を聞いてくれる
ようになるのだ。
もし、相手が話す一方で、こちらの話に対しては興味を持たないよ
うだったら、その相手は自分にしか興味がない人だ。そういう人と
は距離を置けばいい。
こちらが話しかけられた場合には、その人の自己紹介をほめた上で、
その背景を聞くようにすることだ。相手は、自分の自己紹介に興味
を持ってくれた人なのだ。
興味を持ってくれた相手が「自分の自己紹介の内容を覚えてくれて
いた」と思えば、その相手はすぐに自分のファンになってくれる可
能性が高いはずだ。
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