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新型ウイルス想定死者数まで示唆したトランプによる戦時内閣

今市太郎の戦略的FX投資
****************************************  今市太郎の戦略的FX投資  ファンダメンタルズでテーマを見極め  テクニカルで実証してエントリーする     2020年4月2日号  ツイートアカウント @imaichitaro  よろしかったらフォローもお願いします。 ***************************************** 新型ウイルス想定死者数まで示唆したトランプによる戦時内閣 米国における新型ウイルスの感染者数の増加はとどまるところを 知らない状況に陥っており、もはやNY州などは完全な戦争状態 に突入しているようです。こうした状況下でトランプ大統領は 株の大幅上昇とその水準維持を大統領選における成果のよりどころ としてきたわけですが、どうやらここから再度株価を回復させて こうした見せかけの株価の上昇を戦利品にして民主党と戦う ことを諦めたようで、明確な内閣としての方針変更を打ち出し はじめています。それが新型ウイルスと戦う戦時内閣という イメージの醸成です。 ■ベトナム戦争の戦死者を上回る被害をあえて示唆 3月31日、ホワイトハウスで記者会見に臨んだトランプ大統領は ここから2週間がかなり傷みを伴う時間帯であることを国民に 告げるとともに最低で10万人、最悪の場合24万人以上の人が この新型コロナウイルス感染で亡くなるであろうことを数字を 示して明確に示唆しています。 この数字はベトナム戦争における米軍の戦死者数を上回るという ことですから、完全に新型コロナウイルスとの戦争に突入している ことを強く印象付けています。 本邦での実に歯切れの悪い安倍首相や小池都知事の会見に比べます とあまりにもストレートフォワードな内容ではありますが、その位 危機的な状況であるということを伝えているという点では、逆に 責任のある発言として評価することもできるわけです。 国内では国民的人気お笑いタレントの志村けん氏があっけなく新型 コロナに命を奪われて以降、足元の状況がとんでもないものである ことはかなり広範に伝搬したものと思われますが、それでも 新型ウイルスと戦争状態に入っていると認識している国民はまだ かなり少ないものと思われます。 ■株価上昇よりも戦時内閣であることを強くアピール トランプ大統領がこうした新型ウイルスと戦う戦時内閣であること をアピールしはじめてから、戦争になると一致団結しやすい米国民 のトランプ支持率は確実に上昇しているようで、株価を人工的に 吊り上げてはみな自分のおかげであるという話しを自画自賛する よりもかなり実利的な面でトランプ支持者を強固なものにしつつ あることがわかります。 ただ、新型ウイルスに関する会見はいささか政治的なものになり 過ぎているようで多くの全米のテレビメディアは生放送をしなく なるといった動きをするなど、なかなか現実はかなり微妙なもの があるようです。 いずれにしてもここからは株価の話よりも新型ウイルスのほうに バイアスをかけてくることが予想されますので、何がなんでも 米株が上昇に転じるということをトランプに期待するのはどうも かなり難しい状況になりそうです。 ■第二四半期GDPの減少はすさまじいものになる可能性 一方米系金融機関が挙って4月から6月までの第二四半期の GDP予想を開示しはじめていますが、その数字は相当悪く ブルームバーグがマイナス9%を予想しているのに対し JPモルガンはマイナス25%、モルガンスタンレーはマイナス 30.1%、ゴールドマンサックスはマイナス34.0%、キャピタル エコノミクスがマイナス40.0%で大手であればあるほど 軒並み大不況突入時並みの数字を予想している点が非常に 危惧されるところです。 つまりリセッション入りは免れない状況で、この感染拡大 状態がさらに継続するようであれば今年の米国経済はもう 想像以上の壊滅的状況に陥ることは間違いなさそうです。 しかしこうした厳しい経済状況はなにも米国だけに限った ことではありませんから、国内経済も驚くほど疲弊した 状況に陥るのは時間の問題といえます。 こうなるとドル円でいうとドルが売られるのか円が売られる ことになるのかはまさに経済の相対的状況次第になる可能性 もあり、ここからは各国の状況を粒さに観察する必要が でてくることになりそうです。 ■それに引き換え国民に2枚のマスクを配布するという安倍政権の情けなさ ところでトランプ政権が急激に緊張感を高めて新型コロナに対峙 しているのに対して、唯一エイプリルフールを楽しむかのように 間抜けは方針を発表しネットで総顰蹙を買っているのがだれあろう 安倍首相です。 須賀官房長官だ3月の記者会見でマスクの配布を約束したことに起因 しているのかどうかわかりませんが、安倍首相はひとつの住所に 二枚の布マスクを配布するという、この政権としては空前絶後の 大英断を下したようで、現金支給など一切行う予定のないこの内閣は とうとう国民に2枚ぽっきりのマスクを配給して下さることが決定 したとのことです。 上述のように米国のGDPですら四半期ベースでは平気で30パーセントの 減少を余儀なくされているわけですから、本邦のGDPも同様な減少が あってもまったくおかしくない状況で、年間ベースで3割ともなれば 150兆円、四半期だけでも38兆円近いGDPが失われることは容易に予想 できる状況です。恐らくこの8割以上が個人消費による落込みとなる はずですから30兆円の財政支出などしてみても到底この欠落部分は 埋まらない状況です。 今国民が求めているのはまさに最低限生活のために消費を行う資金で あり、ここに何の救済策も示さないこの政権はまさに国民が犬死する のを待っているとしか思えないものがあります。 同じ時代に同じ新型コロナに対峙して、どうしてここまで政策が異なって しまうものなのでしょうか。今年の国内景気は本当にかつてないほどの どん底に到達してしまうのはもはや避けられないところに来ているようです。 日米の政権の対応力の劇的な違いを見るにつけこの国に暮らすことが いかに絶望的なものなのかを思い知るひと時となっています。

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