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第108回 もっとも注目されているICO
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▼未曾有の危機
いま我々がはまったく未知の領域に入ったのであり、これまでの常識や価値観はまったく通用しない。しっかりと安定し、確かな手触りのある慣れ親しんだ世界は、もはやない。今回の蔓延で世界経済が大変な状況になっていることは確かだ。4月17日に発表されたIMFの予測によると、もしパンデミックが2020年前半で収束し、後半から経済活動が再開したとすると、2020年の世界経済の成長率は-3.0%になる。
これは2009年の世界的金融危機時の-1.6%をはるかに下回る。2020年には世界の90%の国々がマイナス成長になる見込みだ。これは2009年の62%を上回っている。このとき中国の成長が世界経済を下支えした。今回は、パンデミックの収束後、世界経済はV字回復し、2021年は+5.8%の成長となる。すると世界経済は力強く回復するが、2022年のまでは2019年の水準までは戻らないだろうとも予測している。先進国に限りると、2020年は-6.1%の成長で、2021年は+4.5%となる。
しかしこの予測は、新型コロナウイルスのパンデミックが比較的に早く収束し、2020年後半には世界経済が活動を再開するとしたもっとも楽観的なシナリオだ。IMFはもっと悲観的な三つのシナリオを用意している。
二つ目のシナリオは、パンデミックによるロックダウンが今年の前半で収束せず、それよりも50%長く継続したとするときのシナリオだ。そのときは世界経済の成長率は-6.0%まで落ちる。
次は2021年に新たなパンデミックが襲うシナリオだ。そのとき2021年の成長率は+5.8%から+0.8%まで下落する。
さらに四つ目は二つのシナリオが合体したケース、すなわちパンデミックが今年の前半でおわらず、ロックダウンの期間が50%伸び、さらに2021年に新たなパンデミックが発生したとする最悪なシナリオだ。そのときは今年の前半でパンデミックが収束し、世界経済は2021年には+5.8%の成長率になるというシナリオは成立しなくなる。2021年も-2.2%のマイナス成長になる。二年続きのマイナス成長だ。V字回復はない。このとき、日本を含む先進国の財政支出は対GDP比で10%増加し、政府の債務は20%も増加する。
しかし、こうしたシナリオさえ楽観的過ぎるのかもしれない。新型コロナウイルスの「Covid-19」が進化し、抗体がない状態が長く続くかもしれないし、ワクチンの開発に時間がかかり、なかなか市場に出てこないケースも考えられる。そうしたときは、上の四つにシナリオを越えることだろう。
これは戦後最大の不況どころか、1929年に始まりその後10年は続いた世界恐慌に匹敵する規模の状況だ。1929年から1932年の恐慌の最悪期には世界のGDPは-15%まで落ち込んだ。IMFはまだそこまで予想はしていないものの、もし上の第四のシナリオになればここまで落ち込むこと可能性も否定できない。また、世界恐慌時のアメリカの失業率は23%だったが、大手投資銀行の「JPモーガン」は、2020年の第2四半期の失業率は20%になると予想している。これは世界恐慌当時に匹敵する水準だ。
●あらゆる分野で低迷する投資
このような状況でやはり仮想通貨を始め、ブロックチェーンのプロジェクトも大きく低迷している。「ICO」にはかつててのような勢いない。しかし、こうした状況でもしぶとく生き残り、高い人気を博しているプロジェクトがある。おそらくこうしたものは、今後生き残り、ブロックチェーンの分野をリードするプロジェクトになる可能性は高い。今回は、そうしたものを一挙の紹介する。
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