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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 017
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、中国ECの歴史をご紹介します。
2003年に中国のECが急速に普及したことには、SARSの感染拡大が大きく影響しています。多くの人が外出を控えるようになり、自宅にいて買い物ができるECに注目が集まったのです。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大では、ECの利用が急増したことはもちろん、生鮮食料品などが1時間程度で宅配される新小売や生鮮EC、外売(フードデリバリー)の需要が急増しました。
さらに目立ったのが、既存店舗の新小売化です。多くの商店は閉店をせざるをえなくなりました。開けていても、そもそもお客さんはきません。そこで、シャッターを閉じて、その裏側で、店主みずからスマートフォンでライブ放送を行い、自分のお店の商品をタオバオなどのECで売るお店が急増しました。
どんな状況でも、知恵を絞って、なんとか商売を続ける。いかにも中国らしい光景です。
しかし、これが小売業を進化させているのです。しかも、今では、単なる工夫だけではなく、テクノロジーを活用していくことができます。
中国のITは、乱世では乗り越えるために、治世では激しい競争を乗り越えるために、必要があって進化をしています。
ECの分野では、アリババとテンセントが激突をして、そこからスマホ決済、ミニプログラム、新小売などの新しいテクノロジーが生まれてきました。テンセントと言えば、SNS「WeChat」とゲーム領域の企業で、ECはあまり関係ないように思われる方もいるかもしれません。
しかし、テンセントもECに進出しようとしたことがあります。そこでアリババと激突し、テンセントはECを支援する側に回る戦略転換をしました。立ち位置はそれぞれに違いますが、両社とも「新小売」領域で競争をしています。
今回は、ECの領域でどのような競争が起きていたのか、振り返ってみます。今後、新小売領域の競争が激化するのは間違いなく、そこで各プレイヤーがどのような背景を持っているかを知ることで、新小売領域での競争がよく見えるようになるのではないかと思います。
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