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津田大介の「メディアの現場」
2020.4.17(vol.391)
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──Don't lose your temper──
みなさん、こんにちは。津田大介です。
ソーシャルメディアで7日間ブックカバーチャレンジって目にしますよね。僕のとこ
ろにも回ってきたので、まさにいまやってるんですが、自分なりの縛りをつくって
コロナ関係で読んでるor読み直してる本というテーマで紹介しています。
本棚見ていてふと気付いたのが2014年に僕が人生初となる小説の文庫本の解説を書
いた海堂尊さんの『ナニワ・モンスター』です。これ、2009年に流行った新型イン
フルエンザ騒動をモチーフに、日本に「キャメル」という新型ウイルスが入ってき
たときにどのような騒動が起き、メディアが混乱し、政治的思惑が裏側で動くかと
いう壮大なifを展開している小説で、2009年の新型インフルのときには起きなかっ
た様々な現象が現在のコロナ禍で起きていることから見ると予言的に描かれている
んです。
PCR検査をめぐる病院と厚労省の生々しいやり取りとかも描かれていて、読み返して
改めて驚きました(というか、この小説の解説を書いていたにも関わらずPCR検査と
いう単語そのものがすっかり自分の記憶から抜け落ちていました……)。最初読ん
だときは「リアリティあるけど、やっぱ小説だよね」と思った戯画的な部分が今回
のコロナ禍でさまざまなかたちで現実化してるのを見ると「海堂尊すげえ……」と
思わざるを得ません。
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