石川ともひろの永田町早読み!
/ 2020年5月3日発行 /Vol. 398
4月23日、北朝鮮の事情に詳しい方から突然連絡が入った。
北に詳しい方 「石川さん、金正恩が死んだ」
石川 「本当ですか。 重体説は流れていましたが、まさか……」
北に詳しい方 「中国の医療団が手を尽くしたが駄目だったようだよ」
この方は、北朝鮮から拉致被害者が帰国した際に北朝鮮政府側の担当者「ミスターX」に近い日本人女性と懇意にしている方だ。 だから、情報の制度は高いと思っている。 この日本人女性は東京でホテルを経営しており北朝鮮関係者の間では有名な方だ。 私も一度お会いしたことがある。 のちに佐藤優さんに話してみると、佐藤さんもお会いしたことがあるらしく佐藤さんも北に詳しい方だと認めていたほどの人物だ。
フランスの医師団が北朝鮮入りしたことが表面化したのが今年の1月。 まああれだけ太っていれば糖尿病や心臓病などを患っているのは明白だが、今まで重病説が流れることはなかった。 なによりまだ30代の若さ(金正恩は1984年1月生まれとされる。 正しければ36歳)だから、そこまで深刻だとは誰も思っていなかった。
異変が起きてきたのは4月に入ってからだ。
4月11日に朝鮮労働党政治局会議に出席してから、全く動静が伝わっていない。 一方で、妹の金与正への権力移行が進み、この日は政治局委員候補に復帰している。 そして翌4月12日の最高人民会議を欠席したことで、「北のトップ」に異変が起きているではないかという疑念をさらに強くさせた。 そして4月19日にはCNNの報道で中国の医療専門チームが北朝鮮入りしたことも明らかになった。
死亡説、重病説が入り乱れている。 何かが起きていることに間違いはない。 何もなければこれだけの報道にはならないからだ。 4月28日にトランプ大統領は「彼がどういう状態にあるかはちゃんとわかっている。 あなたたち(記者団)も恐らくそう遠くないうちにわかることになるだろう」と述べたあとで、トランプ氏は「彼が元気であるよう望んでいる」と重ねて語ったということは意味深である。
金正恩は過去に5度ほど1ヶ月から2ヶ月ほど雲隠れした時期がある。 今回も新型コロナから避けるために雲隠れしているという情報もある。
だが、私はそうは思わない。
火のないところに煙は立たない。 これだけの医療団が入っているという情報が流れているということは金正恩に異変が起きているとしか考えられない。 後継者として金与正の名前がこれだけ頻繁に出ていることも体制移行をスムーズに行うためのプロパガンダとも取れる。
そして5月1日、ニュースが流れた。
>>北朝鮮国営メディアは2日までに、金正恩朝鮮労働党委員長がメーデーを祝う催しに登場したと伝えた。 事実であれば約3週間ぶりに公の場に姿を現したことになる。
北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は「最高指導者である金正恩氏が、順川リン酸肥料工場の完成に合わせテープカットを行った」と報じた。 この完工式は「全世界の労働者の国際的な祝日」である1日に開催されたものだという。 CNNはKCNAの報道内容について独自に確認できていない。
正恩氏は4月15日に行われた祖父・故金日成主席の生誕式典に姿を見せず、健康状態を疑問視する声が出ていた。 KCNAによると、正恩氏はその4日前には政治局の会合に姿を見せていた。
朝鮮労働党機関紙の労働新聞は4月26日、正恩氏が北部・三池淵(サムジヨン)市の整備に携わる労働者に感謝状を送ったと伝えた。
CNNは26日の報道の信ぴょう性や、正恩氏本人による感謝状だったかどうかを独自に確認できていない。
労働新聞は今月1日にも、正恩氏が党政策の宣伝を担当する模範的な党員に「感謝を送った」と報じた。 詳しい日時や、感謝の気持ちを伝えた方法は不明。
トランプ米大統領は今回の報道についてのコメントを控え、「適切な時期に何か言うことがあるだろう」と記者団に述べた。 (CNNより引用)
この報道について非常に疑問に思うのは……
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