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第110回 パンデミックに対処するためのプロジェクト その1
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▼急速に進むブロックチェーンの導入
いまも続いている新型コロナウイルスのパンデミックの状況下では、感染を防止するために人との社会的距離を取り、対面の会話など濃厚接触を極力避けなければならない。今年の末にはパンデミックの第2波の到来も予想されており、ハーバード大学の研究者によると、2022年まで断続的なロックダウンが続く可能性があるという。
そのような状況で、ブロックチェーンのプロジェクトにも大きな再編の波がやっきている。セールスプロモーションや新しいテクノロジーの発表会などのイベントの中止に追い込まれ、計画変更を迫られるプロジェクトもあれば、逆にパンデミックを追い風として、一挙に拡大しているプロジェクトも多い。
総じて見ると、ブロックチェーンのプロジェクトにとって今回のパンデミックによるロックダウンなどの状況は、あらゆる方面でデジタル化、IT化を大きく促進させる方向に動きつつあるので、追い風になりつつある。むしろ「ICO」や「STO」なども、パンデミック以降に改めて活性化する可能性が高い。
▼パンデミック下で加速するブロックチェーンの適用
ブロックチェーンのプロジェクトにとって、パンデミックは意外にも追い風になりつつある。そうした動きを項目別にまとめた。以下である。
3)医療機器のサプライチェーン
このパンデミックで製造業の多くの分野でサプライチェーンが寸断された。これは医療分野も同様で、サプライチェーンの寸断からマスク、防護服、そして人工呼吸器などの供給に問題が出てきている。
そうした分野で注目されているのが3Dプリンターだ。これは必要となる医療機器のパーツをすべてコピーして製造できるため、医療機器メーカーでなくても製造が可能になる。そのような3Dプリンターがさまざまな産業分野に存在している。それらをすべてブロックチェーンに登録して管理し、医療危機製造のサプライチェーンを一挙に作ることが可能になる。すでにそうしたプロジェクトはスタートしている。
▼いまこの分野で立ちがっているプロジェクト
このように、いま新型コロナウイルスのパンデミックのなか、感染を押さえ込む最前線にある医療機関と、そこで必死に頑張っている医療従事者を支えるためのブロックチェーンのプロジェクトがある。そうしたものうち、いくつかを紹介しよう。以下である。
●ヴェリティーエックス(VeriTX)
ブロックチェーンに登録した3Dプリンターのネットワークを利用して、医療機器を製造するためのプロジェクト。
いま新型コロナウイルスのパンデミックのなか、マスクや防護服など医療従事者を守るための製品のほか、人工呼吸器など重症化した患者の治療には不可欠な医療機器が不足しつつある。それだけではなく、医療関連製品や機器の不足は、あらゆるものに及びつつある。そうした製品や機器の製造は急ピッチで進んでいるが、需要が多く間に合わないものが多い。
「ヴェリティーエックス」はそうした状況を少しでも改善するために、さまざまな場所にある3Dプリンターをブロックチェーンのネットワークに登録して、必要な製品や医療機器のパーツを製造するためのプロジェクトだ。3Dプリンターは設計図さえあれば、基本的になんでも製造できる。その特性を最大限生かして医療関連機器を製造する。製造された製品や部品は、「ヴェリティーエックス」のサイトにあるマーケットプレイスで販売される。
「ヴェリティーエックス」はすでにこの方法で兵器などの軍需関連品のパーツ製造や、さまざまな製造業で成功し、実力が証明されている。この方法は、医療機器や関連製品をスピーディーに生産できるので、パンデミックで一刻を争う医療現場のニーズに確実に応えることができる。
公式サイト:
https://www.veritx.co/
紹介ビデオ:
https://www.youtube.com/watch?v=IDpld9DGeZ0
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