…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…
第589回 中国の漢方薬を巡る世界戦略、プレヤーレンが警告する早期のロックダウン解除
…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…
▼今回の記事
いま新型コロナウイルスのパンデミックでコントロールの効かなくなったアメリカに対して、中国は自らの勢力圏の拡大を狙った戦略を着々と実行している。今回はそれを中国の漢方薬外交を見て見る。
次に、スイス在住のビリー・マイヤーがコンタクトしている「プレヤーレン」による早期ロックダウン解除の警告を掲載する。
▼影響力を増す中国と漢方薬外交
それでは今回のメインテーマを書く。新型コロナウイルスで影響力を拡大させる中国と、その漢方薬供給に関してだ。
5月の半ばに近くなってきて、やっと各国のロックダウンや行動規制が段階的に解除され、経済活動が再開される状況になってきた。政府による規制解除の根拠になっているのは、「実行再生産数」である。これは一人の人間が何人の人間に感染させるか表した数値で、1.0を下回ると感染は収束に向かうと考えられている。これは一人が感染させる人数が一人以下だということだ。各国で「実行再生産数」の低下が顕著になってきたのだ。以下が主要国の比較である。2月初旬との比較である。また、5月13日の1日当たりの感染者の増加人数、致死率、さらに人口10万人当たりの死者数も一緒に掲載した。
アメリカ
感染者数の増加/1日あたり:2万2728人
実行再生産数:1.3程度から0.8程度に低下
致死率:5.92%
回復率:21.41%
死亡者数/10万人:25.4人
ドイツ
感染者数の増加/1日あたり:308人
実行再生産数:4.2から0.7に低下
致死率:4.53%
回復率:83.02%
死亡者数/10万人:9.5人
スウェーデン
感染者数の増加/1日あたり:602人
実行再生産数:2.3から1.1に低下
致死率:12.15%
回復率:18.23%
死亡者数/10万人:32.7人
ノルウェー
感染者数の増加/1日あたり:25人
実行再生産数:3.8から0.6に低下
致死率:2.80%
回復率:0.39%
死亡者数/10万人:4.2人
オーストリア
感染者数の増加/1日あたり:36人
実行再生産数:4.5から0.8に低下
致死率:3.90%
回復率:88.64%
死亡者数/10万人:7.0人
イタリア
感染者数の増加/1日あたり:1402人
実行再生産数:3.7から0.6に低下
致死率:13.92%
回復率:49.29%
死亡者数/10万人:51.1人
イギリス
感染者数の増加/1日あたり:3403人
実行再生産数:3.9から0.6に低下
致死率:14.44%
回復率:不明
死亡者数/10万人:49.0人
スペイン
感染者数の増加/1日あたり:1377人
実行再生産数:4.5から0.6に低下
致死率:9.99%
回復率:51.57%
死亡者数/10万人:57.3人
日本
感染者数の増加/1日あたり:117人
実行再生産数:このところ0.7前後で推移
致死率:4.11%
回復率:53.43%
死亡者数/10万人:0.5人
このデータを見て分かるように、どの国でも実行再生産数は1.0を割っており、新型コロナウイルスの蔓延が収束する方向に向かっていることが分かる。
●収束とはどのような状況なのか?
しかし、その他の数値を見ると、各国で相当なばらつきがあり、状況が異なっている。特に注目すべきは、1日当たりの感染者の増加人数、そして致死率と回復率だ。新型コロナウイルスのほぼ完全な押さえ込みに成功したとされる中国と韓国のこれらの数値を見ると、感染拡大の収束というのはどのような状況なのか分かる。以下が中国と韓国だ。
中国
感染者数の増加/1日あたり:7人
致死率:5.59%
回復率:94.29%
死亡者数/10万人:0.3人
韓国
感染者数の増加/1日あたり:26人
致死率:2.36%
回復率:88.44%
死亡者数/10万人:0.5人
このような中国や韓国のデータを見ると、感染拡大の収束というのがどういった状況なのかイメージしやすい。ようするに、1日の感染者の増加人数が大幅に減少すると同時に、回復率が90%近くになり入院患者数も大きく減少するいった状況だ。こうした傾向に伴い、致死率もどんどん減少に向かう。ここまで極端ではなくても、回復率が50%を越えて上昇傾向にあると、収束へ向かっているといえるのかもしれない。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)