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第341号:林田直樹の「よく聴く、よく観る、よく読む」

林田直樹の「よく聴く、よく観る、よく読む」
  • 2020/05/15
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林田直樹の「よく聴く、よく観る、よく読む」(2020年5月15日 第341号)より 哲学しなければ、と毎日のように思います。 つまり、本を読むことです。時間的射程距離の長い思考をするべきです。 この感染症を奇貨とするためには、引きこもっている時間を、哲学に使うべきだと強く思います。いまこそ本を読まなければ、永遠に哲学なんかできっこない。そう自分に言い聞かせています。 【音楽のことば】 「調性は小さな宮廷であり、そこでは権力は王(第一度の音)によって行使される。王は二人の代理官(第五度と第四度の音)に付き添われている。彼らは配下に他の四人の高官を従えており、それぞれの高官は王それに王の代理官と特別の関係を保っている。 そのうえ、この宮殿には半音階(クロマティック)と呼ばれる五つの別の音が収容されている。それらの音は別の調性のなかではたしかに前面の場所を占めることもあるが、ここでは客としているだけだ。 十二音のそれぞれが固有の立場、称号、役割をもっているので、私たちが聞く作品は単なる音の集塊以上のものとなる。それは私たちの前でひとつの行動を展開するのだ」 (ミラン・クンデラ) ※出典:「笑いと忘却の書」ミラン・クンデラ著 西永良成訳 集英社文庫 294ページ https://amzn.to/362DRsI チェコのモラヴィア出身の作家ミラン・クンデラ(1929-)は、 ※続く

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