<前立腺がんの生存率 その3 PSAが1000以上の患者さんの生存率>
前回説明したようにがんの生存率という時には、『全生存率』と『がん特異的生存率』という場合があります。
あまりいい気持ちはしないと思いますが、今回はPSA1000以上でみつかった前立腺がん患者さんの生存率をお示しします。
単純に、『前立腺がんの全生存率』という場合、前立腺がんでなくなる方に加えて、他の病気で亡くなる数字も計算に入れます。
また、『前立腺がん特異的生存率』という場合は、前立腺がんによる死亡のみを計算しています。心筋梗塞や脳梗塞や他の臓器のがんなど他の病気で亡くなった場合は、その数を計算から省いています。
そのため、『前立腺がん特異的生存率』のほうが、『前立腺がんの全生存率』より高めの(良好な)数字になります。
『前立腺がん特異的生存率』のほうが、『前立腺がんの全生存率』より前立腺がんの治療効果をみるのにいいような気がします。
前立腺がんの死因の大きなものは、骨転移の悪化によるものです。
しかし、前立腺がんの治療による副作用で他の病気になりやすい可能性もあります。
内分泌療法(去勢術)は、糖尿病の悪化、心血管病(心筋梗塞や脳血管障害など)の副作用がある事はよく知られた事実です。
前立腺がん全生存率には、他の疾患による死亡も含まれるといいましたが、治療の副作用も全生存率に関わっているかもしれません。
内分泌療法(去勢術)の副作用が強くて、知らずに倒れてしまう可能性もあります。そうであれば、内分泌療法(去勢術)はいい治療とは言えないのです。
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