メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

【Vol.326】冷泉彰彦のプリンストン通信

冷泉彰彦のプリンストン通信
「都市封鎖(ロックダウン)の現状〜アメリカ東海岸から」  外出禁止令からほぼ2ヶ月が経過しました。この間、ニューヨークとニュ ージャージーでは、最悪期には一日あたり合わせて1000名以上の死亡が 連続して報告されるなど、闇に包まれていた感がありますが、ここへ来て数 字が一気に沈静化、これに伴って社会の再オープンがゆっくりと始まってい ます。  一方で、現時点で判明しつつあるのは、次の3点です。 1)ロックダウンでも感染拡大の劇的な抑え込みはできなかった。原因とし ては、宗教行事や大家族の集合、相互訪問などが水面下で続いていたためと 思われる。 2)NY・NJともに最悪だったのは、長期入居型の高齢者福祉施設、ほぼ 全部の施設が無残なクラスターとなり、信じられない数の人命が奪われる結 果に。 3)全国から医師、看護師を集めて人海戦術+土壇場の例外対応で、この2 州では何とか危機を乗り切った中で、医師や看護師への報酬は払われている 模様。その代わり、州政府、各地方自治体、各医療機関の経営はほぼ全面的 に事実上破綻状態。  そんな中で、ここ東北部では中西部のような「ロックダウン反対」の暴力 デモは限定的(ロングアイランドで妙な事件はあったにせよ)で、とにかく 住民は静かに「社会が開くのを待っている」状態です。  5月12日からの一週間を下に記しますが、この期間、全米レベルではと にかくトランプとトランプ派が、「社会を開く」としてどんどん強硬になっ ており、一部では専門家チームへの殺害予告まで出る物騒な雰囲気になって います。  またトランプ自身が「ワクチン(予防薬)」への期待感を煽りまくってい るので、例えばワクチン開発に関して好材料が出ると、株価が上がる(18 日が好例)という刹那的な状態になっています。  その一方で、こちら東北部では、この5月は異常な「寒い初夏」となって います。ここのところ朝の最低気温は摂氏10度を下回っており、爽やかで いいとは言え、異常な気候です。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 冷泉彰彦のプリンストン通信
  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
  • 880円 / 月(税込)
  • 毎月 第1火曜日・第2火曜日・第3火曜日・第4火曜日